エルサレム(CNN) パレスチナ解放機構(PLO)のエレカット交渉局長は11月1日、ヨルダン川西岸などへの入植政策に関するイスラエルの姿勢を評価したクリントン米国務長官を非難し、和平交渉の早期再開を図っている同長官の能力に公然と疑問を表明した。
クリントン長官は10月31日、エルサレムでのネタニヤフ首相との共同記者会見で、首相がパレスチナ側との和平交渉に先駆けて入植政策の自制を具体的に申し入れたのは「前例がない」ことだと語った。エレカット局長はクリントン長官の発言を拒否する姿勢を示し、「イスラエルの申し入れは前例がないことではない。前例がないこととは、イスラエルが包括的に入植を凍結した場合や、イスラエルが民家解体や立ち退き請求、急速な入植拡大といった東エルサレム政策を停止した場合だ」と強い語調で語った。
エレカット局長はまた、イスラエルの入植凍結と入植地の住宅取り壊しが行われない限り、パレスチナ国家の樹立に向けた交渉や、イスラエルとパレスチナの二国共存に向けた協議は不可能との見解を表明。同局長はさらに、クリントン長官が言及したイスラエルの「自制」はまだ不十分だと指摘し、「米国がイスラエルに入植を凍結させることが不可能なら、パレスチナがイスラエルと最終的地位交渉で合意できる可能性があるだろうか」と疑問を投げかけた。