野中、２冠防衛ならず　ボクシングＳウエルター級　

７回、柴田（左）と激しく打ち合う野中（撮影・内田世紀）

　プロボクシングの東洋太平洋、日本スーパーウエルター級のダブルタイトルマッチ１２回戦が１日、大阪市のＩＭＰホールであり、王者の野中悠樹（尼崎）は挑戦者の柴田明雄（ワタナベ）＝同級東洋太平洋２位、日本１位＝に０-３の判定で敗れた。野中は東洋太平洋初防衛と、日本タイトルの３度目防衛に失敗した。

　野中は序盤から主導権を握られ、その後も目立った攻勢に出られないまま、完敗した。野中の戦績は２９戦１９勝（７ＫＯ）８敗２分けとなった。

　　◇　　　◇

　挑戦者の勝利がコールされた瞬間、リング上の野中は何度もうなずき、勝者に歩み寄って祝福した。「相手が一枚上だった」。さっぱりした表情で完敗を認めた。

　１回から相手の術中にはまった。ゴングと同時に打って出られ、受け身に回る。その後は打っては離れる挑戦者に強引なパンチを出し、体が流れたところへパンチを集められる悪循環に陥った。

　打ち終わりを狙われるのは想定内だった。練習から対策を積んできたはずだったが、「気がはやってしまった」。ペースを変えられぬまま、１２回が過ぎていった。

　２冠の栄光から一気の陥落。今後について、３１歳は明言は避けたものの、「真っ白に燃え尽きる試合じゃなかった。年齢的な衰えも感じない」と、再起への意欲を口にした。（伊丹昭史）

(2009/11/02 09:00)