古都狂奏曲 (第二章 その六)   爛れたキャンパス~飛び散る白い汗~

 この物語は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません

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雑談系2 [ガチホモ] “【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 ”
516 名前:古都狂奏曲① ◆jbk/fGtpkA [sage] 投稿日:2009/07/28(火) 06:47:16 ID:ecr4ZQL9

(第二章 その六)爛れたキャンパス~飛び散る白い汗~
俺の名前は窪田彰雪、世間で言うFラン大学の3回生だ。
いつもウザいぐらいに纏わりついてくる後輩のクニは、風邪のために学校も練習も休んでいる。
練習後、着替えるのが遅い俺は、恒例のごとく最後の一人になってしまった。
・・あー、磯川、まだいるかな?一緒に帰ろうかな。軽い気持ちで陸上部部室の窓を覗く。
ほの暗い中に、よく見ると人影がある。耳を澄ますと、誰かの話し声が聞こえる。
「・・う・・ん・・先生、もっと・・もっと」
目が暗さに慣れてきたのか、その声の主がわかった。磯川の友人野口だ。
野口が壁に手をついて背後から誰かに犯されている。
「単位、欲しいでしょ。ねぇ、野口君。推薦状も欲しいんだよねぇ」
このねちっこい甘いしゃべり方は、陸上部顧問の榎木教授だ。俺は叫びだす寸前で息を飲む。
「センセ、こいつバックよりも騎上位の方がダンゼン燃えるんですよ、俺が仕込みましたし」
・・こいつ、こないだ会った野口の兄貴じゃねーかよっ!
野口兄は、自分の弟を寝そべる榎木教授の上にまたがらせている。
信じられない光景に手がじっとりと汗ばんでくる。膝がわらってしまいガクガクしている。
「お兄さん、野口君お口が退屈そうだけど?」
窓から直線上の部室の戸口に寄りかかり、腕を組んで見物しているのは、井口教授だった。
野口兄は教授の促したとおり、野口の顔を跨いで、ヤツの口に自分のモノを咥えさせている。
ホモAVのようなことが学内で部室で起こっていて、しかも役者は学生と教授!
常識をはるかに超えた背徳エロの祭典に、俺は仰天してしまった。
早く立ち去らねばと思うのに、足が動かない。漏れ聞こえる野口の喘ぎ声に、おぞましさのあまり耳を塞ぐ。

汚い!汚い!汚い!上手く動かない両足を竹馬を操るように作動させながら、俺は思った。
どこかに連絡しなければ。通報しなければ。こんなことが許されていいわけがない。
・・うちの大学、セクハラホットラインみたいなのあったっけ?
この穢らわしい行為がセクハラなのかなんなのかわからないが、とにかく誰かに知らせなければ。
駅まで歩きながら、小雨が降っていることに気づいた。
いつもなら感じるであろう肌寒さも、激しい動悸が打ち消している。
学生相談室あてに匿名の投書をしようか・・。
無理だ、あそこはジェンダー井口が仕切っている。
じゃぁ、学長に直訴?でも学長は体育会系出身だから、やつらに甘い。
おそらく身内を庇うだろう。
しかも、匿名で投書をしたところで、悪戯扱いされてしまうに決まってる。
だからといって、投書ではなく、目撃証言をすれば、俺の学生生活は完璧に終わるだろう。
狂言扱いされ、ことごとく単位を与えてもらえず、
留年させられて自主退学に追い込まれるのが目に見えてる。
両手をひざに付け、かがんだ状態で息を吐き出す。・・見なかったことにしよう。そうだ、俺はさっき何も見ていない。だから何も知らない。
・・自分で自分にそう言い聞かせることしか出来なかった。

翌日、風邪の治ったクニは早速練習に参加していた。
でも、俺はクニの顔が見たくなかった。俺たちは部室で過去数回セックスをしている。
結局教授や野口を責めることは出来ないんじゃないかと思う。
あいつらが単位や推薦状について不正をしていたとしても、だ。
「先輩、なんかぁ、今日、俺のこと避けてない?」
ぼっとしているようで、勘が鋭いクニが言う。
「疲れてるだけだよ」小さく返すと、クニが
「うそ、うそ、うそだね。俺わかるもん、俺わかる。先輩なんか俺に隠してる!隠してる!」とわめく。
・・勘弁してくれよ・・一刻も早くクニの側を離れたくて、着替えの手を早める。
「具合悪いから、先帰るから」
荷物を持って部室から出ようとしたその時、クニに背後から抱きしめられる。
「ね?なに隠してるの?ね?何で俺に教えてくれないの?」
・・これが嫌なんだよ。もうお前とはセックスもしたくない。ましてや部室でなんてお断りだ。
クニの腕を引き剥がそうとしても、首にしっかり絡まっていてびくともしない。
「先輩、ね、俺のこと好き?」・・そういうこと言われるのも嫌なんだよ。終わりにしたいんだよ。
「・・先輩、先輩」クニが泣きそうな声を出す。
「まだわかってもらってなかったんですよね。俺の本気」いきなり低くなる声のトーンが怖い。
少し怯んだ瞬間、クニが俺の体を床に叩きつける。体力的には負ける気はしないが、
突然の衝撃に隙が出来してしまったのか登山ロープのようなもので後ろ手に縛られた。

「先輩、俺のこと好き?ね?好き?」
その言葉しかしらないオウムのようにクニが繰り返す。
もう何度目かわからないクニの吐精。
その間も俺は根元をクニの指で塞き止められていて、一度もイかせてもらっていない。
「ちゃんと言えたらイせてあげる、ね?俺のこと好き?」
もうなんでも、うでもよくなっていく。
昨日見た獣たちの交尾も、それと変わらない俺たちのことも。
「・・好き」やっと声にすると、
「これからも俺と付き合っていくよね?ね?」と腰を激しく打ちつけながらクニが言う。
「・・うん」頭の中は空っぽで、体に溜まった熱いものを早く放出することだけしか考えられない。
「お写真とっていい?」・・もう答えられない。何も答えられない。
黙って首を縦に振ると、ストロボの眩しい光と共にパシャリと音が聞こえた。

腐った学校に爛れた俺たち。
穢れたものに囲まれて身動きができない。
でも、それは絶対的に俺が被害者というわけでない。
声を出せば、足を踏み出せば、明日から世界は変わる可能性がある。
きっと、打つべき手は何かしらある。やれることは皆無ではないはずだ。
ただ、もう何もしたくない、面倒だし、怖いし。
・・このまま流されて何が悪いというのだろう。
見たくないものに蓋をして、完全になかったことにして毎日をやりすごす。
この先もずっとそんな風にして、変わらず日常が続いていくんだろう。
そしてそれが一番賢い方法に違いない。波風は立たせないのが一番だ。


・・・・・・この考えが間違いだったのに気付くのは、それからちょっと先のことだった。