古都狂奏曲 (第二章)   その二)愛ゆえの懊悩~回るダビデ象~

この物語は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません


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雑談系2 [ガチホモ] “【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 ”
125 名前:古都狂奏曲①[sage] 投稿日:2009/07/18(土) 14:06:54 ID:Pu3woVFl

(第二章 その二)愛ゆえの懊悩~回るダビデ象~
俺の名前は窪田彰雪、世間で言うFラン大学の3回生だ。
アメフトの後輩クニに押し倒されて、早10日が過ぎた。
すっかり彼女気取りというか、いや、彼氏気取りというべきなのか、
クニからは毎日「おはよ、先輩、起きて(はぁと)」などと非常にキショいメールが入る。
しかもクニが勝手に俺の携帯の着信音を設定したせいで、
ヤツからのメールだけ聴いたこともないような甘い曲が流れるようになっている。
なんとも表現しがたい気分で起床した俺は、歯を磨きながら本日のスケジュールに思いを馳せると、
憂鬱という名の心の風船が破裂しそうになってきた。
・・なぁ、野郎同士で遊園地ってなんなんだよ。
昨日のクニの満面の笑顔が浮かんできて、さらにブルーになってしまった。

昨日、練習が終わった後にクニに捕まってしまった。
「せ・ん・ぱ・い」甘い声で背後から呼びかけられると、最近では条件反射で背筋が寒くなる。
何かされるのではないかと、思わず身構えてしまう。
「遊園地、いこ。明日いこ」
「は?」
「明日いくの。部活終わったあとにいくの。もう決まりだよ、先輩」
「あ?」
「約束したからね、先輩」思考が停止した状態で、振り返るとすでにクニの姿はない。
・・何考えてんだ、あいつは。遊園地なんか、あやめが谷遊園地に小学校の頃行ったっきりだぞ。
そんなやりとりを思い出しながら、それでも何故か勝負服を着て来てしまった愚かな俺は、
練習のためにグラウンドを突っ切り部室へと急いだ。

「おい、窪田」陸上部の顧問榎木に呼び止められる。
「お前、磯川しらんか?練習さぼってどこいったんだか。
 お前からももっと真面目にやるよう言ってくれよー」
「磯川なら、先生に許可もらって数日練習休むって言ってましたけど?」
「いや、俺は許可なんて出してないぞ・・困ったな、大会も近いのに」
俺はこいつが本能的に苦手だった。
体育会系講師の特徴と言えば、練習に厳しく声が大きいこと。遠慮なく怒鳴りつけながら指導する。
喜怒哀楽は激しくて、単純な性格でわかりやすい人間ばかりだ。
対してこいつは、ゆったりとした優しい口調。いつもヘラヘラと笑っている。
でも腹の中は何を考えてるのかさっぱりわからない。一見いい人そうに見えるから、余計に性質が悪い。
平気で嘘をつくし責任感の欠片もない。
こんなことを俺に言ってきたのも、磯川の機嫌をとるために休みを許可したものの、
大会への調整が気になりだしたというところだろう。
磯川のことを気に留めているのは、ヤツは競歩の才能だけはずば抜けていて、
ヤツを育てれば自分も出世できると思っているからで、結局そこには部員を思う気持ちは微塵もない。
「あの、先生。大会で優勝すれば、女にモテモテになると言えば練習にも熱が入ると思いますよ」
榎木とは関わりを持ちたくなかったので、そう助言だけすると足早に立ち去った。

部活を終え、着替えを済ますとクニがなにやら怪しげな匂いをさせて部室で待っていた。
「先輩、俺ね、今日ね、車で来たのお」ウキウキした声でクニが言う。
・・たまには夜の遊園地もいいかなぁ。・・そういえば、クニの助手席初めてだよな。
駐車場にある車に二人して乗り込む。
運転するクニの横顔を見ながら、こいつやっぱり可愛いかも?
などとぼんやり思っている間にどうやら目的地についたらしい。
新手のアミューズメントパークだろうか、お城の形をした建物に駐車して、そのまま階段を登って中に入っていく。
クニはバッグに貴重品を入れているらしく、肩にかけたままだ。手ぶらでくればいいのに。
・・不思議なことに、今まで誰にも会っていない。こういう造りなのだろうか?建物じたいが迷路にでもなっているのかな。
クニが扉を開けてくれた途端、俺は思わず叫んでしまった。

「なんじゃ~~~~~~~、この部屋は!!!」
ブランコがあり丸い大きなベッドがあり、そして内装はまるでジャングル。何故かオウムまでいる。
恥ずかしながら俺は素人童貞で、ラブホテルというものには入ったことがない。
こんな・・こんなところだったとは!軽い眩暈を覚えつつ、重いバッグを置くとさっそくクニが抱きついてきた。
「シャワー浴びてきて。早く、早く」急かされてシャワーを浴びる。
軽い胸騒ぎを覚えとっと浴室を出ると、
パンツ一枚のクニが、グルグル回るベッドの上でボディビルダーのようなポーズをとっていた。
・・俺はおぞましさのあまり、その場にへたりこんでしまった。
「悩殺された?ねぇ、やる気でた?でた?」クニがベッドから降りて、近づいてきた。
よからぬ予感に座ったまま後ずさりすると、腕を捕まれ「ねぇ、今度は先輩の番だよ。俺を誘惑して」
熱い吐息を噴きかけながら、語りかけてくる。
「バスタオルとって。ブランコのって」・・俺の思考回路は完全にショートしてしまった。
・・俺に全裸でブランコに乗れってか?こいつ何を考えてんだ!!!!!
「早く、早くぅ。先輩、早くぅ」いくらクニに急かされても、体が動かない。
無理だ。全裸でブランコなんて無理だ。首を振り続ける俺に
「俺のお願いがきけないの?ねぇ?いつからそんなに悪い子になったの?」とクニの目が怪しく光る。
「悪い子にはお仕置きしなきゃね」クニがバッグを開けてなにやらごそごそと大きな紙袋を取り出した。
袋を逆さにして中身を全部開けると、そこには見慣れたマッサージ器と綿棒。
・・なーんだ、クニ。優しいヤツ。耳掃除とマッサージか。緊張して損したよ。
「先輩、ベッドに寝て」クニの声に安心して従った。

・・その後のことは、悪夢過ぎて思い出したくない。
とにかく綿棒の変わった使い方を学んだとだけ言っておく。
あまり行きたくはない泌尿器科というところに、通院するハメになったことも付け加えておく。