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【国際】

駐アフガン米当局者 戦争に抗議辞任

2009年10月28日 夕刊

 【ワシントン=嶋田昭浩】ケリー米国務省報道官は二十七日の記者会見で、アフガニスタン南部ザブール県駐在のマシュー・ホー米上級代表が九月に辞任していたことを明らかにした。同県は、イスラム武装勢力タリバンの拠点の一つで、ホー氏は辞表で「アフガン政府支援のために、米国が犠牲を払い続けることの意味を見いだせない」と強調していた。米メディアによると、米中枢同時テロを受け二〇〇一年に始まったアフガン戦争に抗議しての米当局者の辞任は初めて。

 ホー氏は、二〇〇四年から〇五年までと〇六年から〇七年にかけて米海兵隊士官や国防総省当局者としてイラクに駐在し、復興事業に関与。今年三月、米国務省に雇用され、アフガニスタンに駐在していた。

 辞表では、「米国の戦略目的に対する理解と自信を喪失した」と辞任の理由を示した上で「アフガニスタンにおける米軍の存在こそが、反政府勢力(の活動)に正当性を与えている」と指摘した。

 ケリー報道官は、ホー氏の任用が来年三月までの一年間に限定されていたとする一方で「ホー氏の見解を真剣に受け止めている」と述べた。

 

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