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自転車事故:歩行者被害が激増 先月末で15件、背景にマナー悪化 /北海道

 ◇85歳女性死亡

 自転車が歩行者をはねる事故が、道内で増えている。今年9月末までに15件(負傷者16人)あり、昨年1年間の20件に迫る勢いだ。札幌市白石区では24日、中学生の自転車にはねられ重傷を負った女性が死亡した。背景には自転車の台数が増えていることに加え、携帯電話の「ながら運転」などマナーの悪化があるとみられ、道警は注意を呼びかけている。【吉井理記】

 道警によると、道内の過去3年間の自転車と歩行者の事故は▽06年13件▽07年15件▽08年20件--と増加傾向にある。今年の15件のうち12件は札幌市内で発生。さらに11件は歩行者の多い中央区で起きている。自転車側はいずれも重過失傷害容疑で書類送検された。

 24日の事故は午後5時10分ごろ、札幌市白石区北郷4の9の歩道で起きた。南区の85歳の女性に、後ろから走ってきた中学3年の男子生徒(15)の自転車が追突。女性は頭を強打し、約42時間後の26日午前11時半ごろに死亡した。生徒は歩道上を走行中、交差点をわたって再び歩道に乗ったところで段差にハンドルをとられたという。

 警察の統計で「死亡事故」として記録されるのは、発生から24時間以内に死亡した場合に限られる。道内での自転車による死亡事故は、99年に日高管内えりも町で当時58歳の女性がはねられ、約5時間後に死亡した事故以来、発生していない。今回の白石区の事故のように、24時間以上経過して死亡した例は06年にも1件あるという。

 増加の背景について道警交通企画課は「自転車用の傷害保険に加入する人が増えたことで、事故時に保険金申請のために警察に届ける人が多くなったようだ。ただ、届け出のない軽微な事故ははるかに多い」と推測する。

 社団法人日本自転車普及協会によると、道内の昨年の自転車台数(推計)は前年比約15万台増の約283万4000台。さらに携帯電話や携帯型音楽プレーヤーの普及による「ながら運転」が、事故を増加させているという。

 交通企画課は「重大事故を起こした場合は、刑事罰だけでなく数千万円の損害賠償を求められる」と指摘。(1)自転車は原則、車道を走る(2)自転車も入れる歩道では車道側を走る--などの徹底を呼びかけている。

毎日新聞 2009年10月28日 地方版

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