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海保側「左を追い抜いて下さい」衝突前、韓国船に伝達(1/2ページ)

2009年10月29日0時2分

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 福岡・山口県境の関門海峡で起きた海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国船籍のコンテナ貨物船カリナスターの衝突事故で、海上保安庁の管制機関がコンテナ船に、前を運航していた貨物船を「左から追い越す」よう伝えていたことが28日分かった。第7管区海上保安本部(北九州市)が明らかにした。7管は「管制機関は護衛艦の接近情報も提供した」と説明している。

 情報伝達後、コンテナ船と前方から向かってきた「くらま」が急接近し、管制機関が注意を促した直後に事故が起きたことも判明した。現場の航路は右側通行で、左から追い越すと、向かってくる船に近づくことになる。コンテナ船の運航会社は「管制室から『左を追い越せ』と指示が出た。左に向きを変えたら衝突した」と説明している。

 7管は管制機関の情報提供について「指示や命令ではなく、あくまで助言。援助措置で、従うかどうかは船長の判断」と説明しつつ、「事故原因につながった可能性は否定できない」と話している。

 管制機関は関門海峡海上交通センター(北九州市)。7管の直属組織で、関門海峡を運航する船舶に安全上必要な情報を提供している。

 7管によると、センターとコンテナ船などとのやりとりは事故の約4分前から始まった。まず、コンテナ船が前を進んでいた貨物船に接近したため、貨物船からセンターに「(コンテナ船に)左を追い抜いてもらいたい」との連絡が入った。センターはコンテナ船に「左を追い抜いて下さい。前方から自衛艦が来ているので気をつけて」と情報を提供。「了解」との返事があったという。

 センターはさらに、前方の貨物船に右に寄るよう伝え、「安全と判断した」という。

 その後、コンテナ船と「くらま」が急接近したため、センターは「くらま」に「非常に接近しています。注意を」と呼びかけ、その数十秒後に衝突事故の連絡が入った。

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