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貨物船の船長「追い越そうと左にかじ」 関門海峡衝突

2009年10月28日17時3分

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写真:コンテナ船カリナスターの船体右側には衝突で炎上したあとが見られた=28日午前8時51分、関門海峡、本社ヘリから、長沢幹城撮影コンテナ船カリナスターの船体右側には衝突で炎上したあとが見られた=28日午前8時51分、関門海峡、本社ヘリから、長沢幹城撮影

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 福岡と山口の県境にある関門海峡で27日に起きた海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国船籍のコンテナ船との衝突事故で、コンテナ船の韓国人船長(44)が28日、朝日新聞の取材に対し、「前にいた船のスピードが遅く、追い越そうと左にかじを切ったら、(自衛隊の)船が来た」と語った。第7管区海上保安本部も同様の情報を把握。コンテナ船の無理な追い越しが事故につながった可能性があるとみて、業務上過失往来危険の疑いで同日、それぞれの船の現場検証を始めた。乗組員から事情を聴くなどして事故原因の究明を進める。

 コンテナ船の船長は28日朝、「前の船が、スピードが遅かった。前の船をよけようと追い越した」と追い越した理由を話した。

 一方、コンテナ船を運航する東暎海運(ソウル)の担当者は朝日新聞の取材に「船長からの報告書では、関門地域の管制室に前の船を右から追い越すと伝えたら、『左を追い越せ』と指示が出た。左に向きを変えたら、衝突した」。これに対し、7管幹部は「狭く湾曲した関門橋近くで追い抜きを指示することは、まずあり得ない」と話している。

 北沢俊美防衛相は28日の記者会見で、「コンテナ船との衝突を回避するため、(エンジンの)逆進をかけたが間に合わなかった」と状況を説明した。

 事故は27日午後7時56分ごろ発生。護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン、乗組員297人)と韓国船籍のコンテナ船カリナスター(7401トン、乗組員16人)が衝突し、双方が炎上した。7管によると、「くらま」の乗組員計6人が負傷した。

 航路が狭く潮流の速い関門海峡では無理な追い越しなど危険な航行は禁じられてはいるが、対向船を避けられるなど、安全を確認した上で、警笛を鳴らして周囲に知らせれば、追い越しは認められる。7管は詳しい航跡を調べる。

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