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憂楽帳:コンビニ医療

 病院で待たされることを嫌う患者のため風邪など簡単な診断をし、薬を処方できる上級看護師がドラッグストアなどに雇われて医療を行う「コンビニクリニック」が米国で急増している。

 内科医による監督など簡単な規制しかなく、「早い、安い」を売り物に3~4年前の数十から今では全米で1200カ所とまたたく間に広まった。品薄のインフルエンザ予防ワクチンを街の医師より豊富に入手し、行列のできるクリニックもある。

 米国流市場経済の活力を見る思いだが、「ドラッグストアに雇われて過剰な処方をしないといえるか」と懸念する声もある。ある大手チェーンは今春、需要の少ない季節だからと550店中90店を10月初旬まで閉めてしまった。ロサンゼルスのハワード・ストロム内科医(60)は「もうかるからやっているだけ」と手厳しい。

 折しも4600万人の無保険者を抱え、民間任せの医療保障を改革すべく議会は激論の真っ最中。市場原理を重んじる伝統は分かるが、医療は安心を原点とすべきではないか。【吉富裕倫】

毎日新聞 2009年10月28日 12時19分

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