医療過誤で１億１６００万円賠償請求　姫路の男性　

　十分な事前説明がないまま手術を受け、歩けなくなった上、医師から侮辱されたとして、姫路市内の男性が２８日までに姫路医療センターを運営する独立行政法人国立病院機構（東京都）と当時の執刀医を相手取り、約１億１６００万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁姫路支部に起こした。

　原告は同市日出町、佐藤栄裕さん（４１）。訴状によると、建築工事の現場監督だった佐藤さんは１９９６年９月、神戸市灘区で阪神・淡路大震災の復旧工事中に転落し、突発性のヘルニアを発症。その後痛みが悪化したため２００６年１０月、姫路医療センターで腰椎（ようつい）固定術を受けたが、その際に使ったネジが神経を圧迫して歩けなくなった。

　医師はヘルニアが治るような口ぶりだったといい、原告側は「歩行できなくなる可能性があることを説明する義務を怠った」と主張。また将来の不安を口にすると、診察室などで「さあ、問題の佐藤さん」と何度も呼ぶなど問題患者扱いし、傷付けられたとしている。

　同法人は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

(2009/10/28 14:16)