重症化した新型インフルエンザ感染者に対し、病院の救急外来がスムーズに対応できるようにするため、姫路市の医療政策研究グループ「医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会」が、「軽症者は冷静な対応を」と呼び掛けている。
会によると、姫路市では07年、高度医療を要する救急患者を受け入れる「救命救急センター」(3次救急)が事実上姿を消した。以来、2次救急を輪番で担当する病院が3次救急までカバーする事態となり、医師らに大きな負担が掛かっている。
新型インフルが猛威を振るう中、会は「軽症患者が救急に殺到すれば、重症の乳幼児などが必要な治療を受けられなくなるおそれがある」と判断。チラシを配って市民に冷静な対応を呼び掛けることにした。
チラシはA4判で表裏1枚。救急外来に駆け込まずに済むよう、(1)重症化する前に診療所を受診する(2)感染に備えてかかりつけ医と対応を話し合っておく--などの措置を求めている。裏面では、国立病院機構姫路医療センターの望月吉郎副院長が考えた予防法なども紹介している。
駅前での街頭活動や政党機関紙などへの折り込みを通して、既に数万枚を配った。小嶋隆義代表(52)は「病院が重症患者にきちんと対処できるようにし、新型インフルでの死亡率を下げたい」と話す。【大久保昂】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年10月28日 地方版