「子育て応援特別手当」の支給中止を決めた民主党政権に対し、京都市議会の民主系会派「民主・都みらい」は27日、中止に抗議する意見書を自民、公明両党と共同提案することを決めた。党中央の方針に市議団が「異論」を唱えた格好だが、市民には分かりにくい対応ともいえそうだ。意見書は28日の市会本会議で可決される見込み。衆院事務局によると、こうした意見書が出されるのは全国の自治体で初めてという。
同手当は、衆院選前に自公政権が補正予算に盛り込んだ子育て支援対策で、3〜5歳児に3万6千円を一回限り支給する内容。しかし、民主が衆院選公約で打ち出した「子ども手当」の実現に向けた財源確保のため、10月に厚労省が予算の執行停止を決めた。
意見書は鳩山由紀夫首相や長妻昭厚労相らに対し「心待ちにしていた子育て世帯の期待を踏みにじるもの。一方的な執行停止は自治体に混乱を与え、信頼関係を大きく損なう」と批判し、「地方の実情を考慮して取り組むよう強く要請する」としている。
公明が提案し、他会派と協議。自民は賛同、共産は反対したが、民主は原案の表題「執行停止を撤回する意見書」から「撤回」の文言を省くなどを条件に共同提案に合意した。
民主会派内では「党本部と意見が違うとの指摘を受けかねない」との異論もあったが、共同提案について山岸隆行代表幹事は「自治体の意見を聞かずに停止したのはおかしい。市長与党としての責任もある」と説明している。
持ち掛けた自民、公明市議からは「まさか賛同するとは思わなかった」と驚きの声も上がる。共産は「政策で国と地方がねじれるのは理解に苦しむ」と民主への批判を強めていく構えだ。
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