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海自護衛艦衝突:関門海峡で韓国コンテナ船と 双方で火災

衝突事故で艦首が大きくゆがみ、炎が見える護衛艦「くらま」=関門海峡で2009年10月27日午後8時50分ごろ、本社ヘリから田中雅之撮影
衝突事故で艦首が大きくゆがみ、炎が見える護衛艦「くらま」=関門海峡で2009年10月27日午後8時50分ごろ、本社ヘリから田中雅之撮影
衝突事故で艦首が炎上する護衛艦「くらま」=関門海峡で2009年10月27日午後8時59分本社ヘリから、田中雅之撮影
衝突事故で艦首が炎上する護衛艦「くらま」=関門海峡で2009年10月27日午後8時59分本社ヘリから、田中雅之撮影

 27日午後7時56分ごろ、北九州市門司区と山口県下関市の間の関門海峡で、西に向かっていた海上自衛隊の護衛艦「くらま」(柏原正俊艦長、5200トン)と、東に向かっていた韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が衝突し、双方で火災が発生。コンテナ船は間もなく鎮火した。第7管区海上保安本部は業務上過失往来危険容疑も視野に、事故当時の状況を詳しく調べる。

 くらまの乗員297人のうち見張り員3人が軽傷を負い、コンテナ船の乗員16人(韓国人12人、ミャンマー人4人)にけがはないという。

 衝突現場は関門橋の東側で、くらまの艦首部分とコンテナ船の右舷前方がぶつかった。くらまは艦首が大破し、ペンキ缶などを入れた倉庫付近が炎上。コンテナ船は船首の右に穴が開き、積み荷から出火した。くらまは艦内に弾薬庫があるが、延焼は免れた。

 事故当時は晴れて風は弱く、視界は3~4キロ。同海峡は右側通行で、両船とも進行方向右側に回避する決まりになっており、7管は双方の乗員から事情を聴いている。

 コンテナ船は午後8時22分に自力で消火。くらまは現場近くに停泊し、門司海上保安部などが消火に当たった。7管は午後8時に関門航路を閉鎖し、段階的に再開した。

 海上自衛隊佐世保地方総監部などによると、くらまは25日に神奈川県相模湾沖であった海自の「観艦式」に参加。26日午後0時21分に海自横須賀基地を出港し、28日に佐世保基地に帰港予定だった。観艦式では、菅直人・副総理が乗艦した。

 コンテナ船は韓国・釜山港から大阪に向かう途中だったという。

 くらまは91年5月にも、山口県沖の伊予灘でタンカーと接触事故を起こした。82年10月には長崎県佐世保市の赤崎岸壁で、燃料の入れ替え作業後に爆発事故を起こしている。【木村哲人、佐藤敬一】 

 【ことば】▽くらま▽ 1979年に進水したヘリコプター搭載型護衛艦。全長159メートルで排水量5200トン。これまでテロ対策特別法に基づくインド洋派遣などを行ってきた。海上自衛隊の第2護衛隊群(佐世保基地)に所属する。

毎日新聞 2009年10月27日 20時36分(最終更新 10月28日 1時20分)

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