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岩国爆音訴訟 原告178人、30日に追加提訴
2009年10月27日(火)掲載
岩国市の米軍岩国基地周辺住民476人が国を相手取り在日米軍再編に伴う米空母艦載機の岩国基地への移転や夜間飛行などの差し止め、騒音被害に対する損害賠償5億4740万円を求めて山口地裁岩国支部で争われている岩国爆音訴訟に新たに基地周辺住民178人が30日、追加提訴する。請求内容が前回提訴と同じで併合審理になるとみられ、原告が650人を超える裁判になりそう。

原告や支援者らで構成する「岩国爆音訴訟の会」の津田利明代表(63)らが26日、記者会見し追加提訴を発表した。それによると、3月23日の提訴直後から原告団長の津田代表らに「提訴することを知らなかった。ぜひ原告団に入れてほしい」という多数の申し入れがあった。

このため、7月9日の第1回口頭弁論後から原告の追加募集を始め、9月中旬までに、原告となり得る基地周辺の米軍機騒音被害を受け、国が指定した住宅防音工事対象区域内(「うるささ指数」75W値以上)の住民178人から申し込みがあった。

津田代表は「追加提訴は100人程度と予想していたが、予想を上回った。原告団長として、気を引き締めて裁判所に被害実態を伝える努力をしたい」と、決意を新たにしていた。

追加提訴は30日午後、岩国供用会館で決起集会を開いたあと、地裁岩国支部に訴状を提出する。

請求の趣旨は【1】午後8時〜午前8時の航空機離発着とエンジン作動の差し止め、昼間も60デシベルを超える騒音の差し止め【2】住宅地上空での旋回、急上昇、急降下訓練の差し止め【3】艦載機などの移転の差し止め【4】過去分の損害賠償請求【5】将来の損害賠償請求。

損害賠償は被害を受け3年を経過した分は時効により消滅したものと取り扱われているが、損害は過去3年に限らないとして、原告1人につき一律100万円と弁護士費用15万円を加算した原告178人分の総額2億470万円と、訴訟提起後の被害について原告1人につき1カ月2万3000円の賠償金の支払いを請求するとみられる。
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