大きな火柱が上がり、狭い海峡に爆発音が響き渡った。27日夜、北九州市沖の関門海峡で起きた自衛艦と貨物船の衝突事故。
事故の生々しい様子は、陸地からも目撃された。
関門海峡を望む北九州市門司区のめかり公園で仕事をしていた運輸会社の男性によると、船が衝突したのは27日午後8時ごろ。自衛隊の護衛艦「くらま」は瀬戸内海から関門海峡へと西に進み、コンテナ船は反対側から進んできたという。
「自衛艦の方が汽笛を鳴らし、すぐに拡声機で騒ぎ始めた。その直後、関門橋から200メートルほど東側の海上で衝突した」
「1回目の爆発音が響き、約20メートルほどの大きな火柱が立った。その後、1、2分して2回目の爆発音も聞こえた」
男性によると、当時の潮は東から西に流れていたという。それぞれの船はその後エンジンを切ったようで、潮の流れにのって西の方に流れていったという。
午後9時半ごろ、護衛艦は門司区の沖合に停泊。真っ暗な夜空に煙がもくもくと上がっているのがサーチライトに照らされてうかがえた。艦上ではなお消火作業が続いていた。
一方、「くらま」が拠点を置く長崎県佐世保市の海上自衛隊佐世保地方総監部。幹部らが急きょ出庁し、電話の応対などに追われた。
「くらま」は同市に拠点を置く第2護衛隊群の所属。だが直接の指揮は神奈川県横須賀市にある護衛艦隊がとっており、佐世保地方総監部の直接の指揮下にはなく、十分な情報が入っていない。報道陣の取材に対し、広報担当の幹部は「門司港付近で衝突したらしいが詳しい情報は入っていない」と答えるにとどまった。