新型インフルエンザのまん延で学級閉鎖などが相次ぐ中、各地の急病診療所がパンク状態になっている。特に子どもの受診が目立ち、中学生以下の子どもを受け付ける阪神北広域こども急病センター(伊丹市昆陽池2)は日曜日の25日、待ち時間が最大6時間になった。ただ、こうした施設はあくまで応急診療施設。長い待ち時間は患者の負担も大きいため、各施設は予防強化やかかりつけ医への早期の受診を呼びかけている。【衛藤達生、大沢瑞季】
同センターでは2学期が始まった9月以降、徐々にインフルエンザの症状を訴える患者が増え始め、10月に入って急増。25日の受診者は441人(他の疾病も含む)に上った。
同センターでは玄関で問診をし、インフルエンザ感染が疑われる患者とそれ以外の待合エリアを分けるのが原則。だが、患者数があまりに多いと、待合室全体がインフル関係の患者でいっぱいになることもあるという。同センターは「だからと言って診察を控えるようにとは言えない。感染しないために予防を徹底してほしい」と話している。
尼崎市の休日夜間急病診療所にも同日、小児科だけで341人(同)が訪れ、待ち時間は3~4時間となった。同診療所の医師は通常2人だが、3人に増員した。駐車場の数も足りないため、隣接する幼稚園のグラウンドを借りて、臨時駐車場を設けた。
同診療所は「どこまで患者さんの数が増えるのか。体制は限界に近く、医師や看護師の数が追いつかない」と不安を見せており「平日のうちに、近くのかかりつけ医で、早めの受診をしてもらいたい」と呼びかけていた。
〔阪神版〕
毎日新聞 2009年10月27日 地方版