長妻昭厚生労働相は26日、診療報酬の点数を決める厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)の新任委員計6人を発表した。自民党を伝統的に支援してきた開業医中心の日本医師会(日医)の代表委員は全員除外した。長妻氏ら政務三役は日医がこれまで自民党を支援する代わりに、診療報酬の改定に強い影響力を行使してきたと判断。代わりの委員に、地方医師会や大学病院から起用した。
長妻氏は同日の記者会見で「どこの医者も苦労して、疲弊している。特に病院に対する手当ては喫緊の課題だ」と述べた。待遇改善が課題になっている病院勤務医を重視した議論にシフトさせることで、医療行政での政権交代を印象付けたい考えとみられる。
日医は従来、中医協に3人の枠を確保し、執行部から推薦してきた。しかし、今回の委員改選で厚労相側は日医の推薦枠はゼロとした。
代わりに、地方医師会の代表として、茨城県医師会の鈴木邦彦理事、京都府医師会の安達秀樹副会長、大学病院代表として山形大の嘉山孝正医学部長が内定した。茨城県医師会は先の衆院選で民主党候補を支援したが、長妻氏は「選挙うんぬんは関係ない」と述べ、衆院選の「論功行賞」との見方を否定した。
他に新任されたのは▽白川修二・健康保険組合連合会常務理事▽中島圭子・連合総合政策局長▽三浦洋嗣・日本薬剤師会理事--の3人。【塙和也】
毎日新聞 2009年10月26日 21時40分(最終更新 10月26日 21時56分)
10月26日 | 中医協:日医を除外…長妻厚労相が委員6人を新任 |