戦時中に強制連行され、広島県安芸太田町の建設現場で過酷な労働を強いられた中国人の元労働者や遺族が西松建設(東京)に賠償を求めた訴訟をめぐり和解が成立したのを受け、元原告の支援者たちが25日、広島市中区の広島弁護士会館で報告集会を開いた。
会見には元労働者の邵義誠(しょうぎせい)さん(84)、原告遺族の楊世斗(ようせいと)さん(68)、曲啓杰(きょくけいけつ)さん(42)と弁護士たち計7人が出席した。支援者約70人も会見の会場に駆け付けた。
邵さんは、16年に及ぶ西松との交渉を振り返り「日本の皆さんの努力が和解を導いた」と感謝した。楊さんは「西松の対応は中日友好の道を切り開く」と喜んだ。曲さんも「今後の戦後補償問題の勝利につながる」と和解の意義を訴えた。
内田雅敏弁護士は、民主党政権のアジア外交重視の姿勢を挙げ「(国は)和解を機に歴史問題と向き合い、解決していかなければならない」と求めた。
【写真説明】交渉開始から16年の歳月を振り返り、亡くなった仲間の遺影を前に涙する邵さん(右端)
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