首相、「東アジア共同体」に意欲 ASEAN側は歓迎【フアヒン共同】鳩山由紀夫首相ら日中韓3カ国の首脳と、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳による会合(ASEANプラス3)が24日午後(日本時間同)、タイ・フアヒンで開かれた。首相は、地域協力を進展させた「東アジア共同体」構想実現に強い意欲を示し、日中韓3カ国が構想推進に向け連携するのが望ましいとの考えを表明した。 ASEAN議長国タイのガシット外相は記者会見で同構想を「強く歓迎する」と言明。首相は米国の参加を含む関与の在り方について会合で明言しなかったが、「日本外交は日米関係が基軸だ」と強調。会談後、同行記者団にも「米国を排除するつもりはない」と述べ、米国への配慮を示した。 北朝鮮核問題では、非核化実現のため6カ国協議を早期に再開する必要性を強調。「核・ミサイルだけでなく、拉致も含めた包括的解決が重要だ」と訴え、各国に協力を求めた。 これに先立つ日本とASEAN首脳との会合で、首相は温室効果ガス削減の中期目標と発展途上国の取り組みを資金や技術面で支援する「鳩山イニシアチブ」を説明、ASEAN側は評価した。 一連の会合で首相は東アジア共同体構想に関し「地域協力ネットワークの積み上げの先に、東アジア共同体が見えてくる。その中心にはASEANがある」とも指摘。当面は経済や教育、防災などの分野で連携を進めていく考えを示した。 また(1)緊急時に外貨を融通し合う通貨交換協定(チェンマイ・イニシアチブ)の早期実現(2)「東アジア広域自由貿易圏」構想の推進(3)域内の大学間交流と都市防災をテーマにした国際会議の日本開催―で一致。メコン川流域開発によるASEAN加盟10カ国内の経済格差是正、日本による治療薬タミフルの提供など新型インフルエンザ対策での協力推進でも合意した。 【共同通信】
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