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パチンコが人生を狂わし、ケチな無銭飲食

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 被告人はファミレスで無銭飲食をして逮捕されました。詐欺罪です。右肩が下がった姿勢で小さな体を揺らしながら入廷しました。

 被告人は高校卒業後トラックやタクシーの運転手として働いていましたが、逮捕される1か月くらい前から無職でした。過去に詐欺罪で懲役1年、執行猶予2年(保護観察つき)の判決を受け、執行猶予中の身での犯行です。

 前回の裁判後、施設に入居し、しばらくしてアパートで一人暮らしをするようになりましたが、再び施設に戻ってきて生活。門限を破ってパチンコに行ったことをきっかけに施設から逃げ出し、なんと岐阜県、三重県など転々としてパチンコをしていました。パチンコは被告人の人生を狂わしているようです。とうとうお金がなくなってしまい施設に戻りましたが、入居を断られて奈良の保護施設を勧められました。

 しかし、奈良でも断られ、4000円の支援金を渡され(←これって税金?)15日後にまた来るよう言われました。被告人はしばらく車で生活していましたがお金がなくなってしまい、犯行を思いつきました。刑務所行き覚悟で被告人が食べたものは、ブタニラご飯、ラーメン、餃子の計3点、合計1195円。所持金は一切持っていませんでした。どうせなら銀座で寿司とか、もっといいもの食べようとは思わなかったのかなぁ……。

 弁護人はパチンコを止めるように導こうとしますが……

 「最後に施設を出たときいくら持ってました?」「給料20万ちょい……」

 「そのお金は引越しなどで必要でしたね?」「はい」

 「それをパチンコに使っちゃったんですか」「はい」

 「パチンコ止めることはできませんか?」「今の時点では止めれるってはっきり言えなかったんですけど〜弁護士さんと話しましたら子供のことがわかりましたんで……(被告人はバツ2で妻子とは音信不通でした)」

 「好きなのはわかりますが……せめてね、生活するお金は使わないことはできないですかね、約束できます?」  「……………はい」

 なんでそんな弱腰で聞くんだろう……。被告人も何でまだ決意できないんだろう……。ちなみに見つかった息子に手紙を書いたそうですが、返事はないそうです。

ギャンブル依存は自覚しているのだが

 検察官の質問もパチンコに。

 「なんでパチンコ行ってそのまま飛び出しちゃったの?」「守りごとみたいなのが施設にはありますから……それに 自分の場合は仕事で大分無理してもらってましたから〜」

 「もう二度と戻れない覚悟でパチンコしてたの!?」「いえ、やってるときはちゃんと帰る気でした」

 「今後はどうするつもりですか?」「今はまだわかりません。方向性は」

 ……方向性!?何それ。

 裁判官もパチンコのことを聞きます。

 「時間忘れてパチンコしちゃって〜その直後に門限破ったこと謝るとか考えなかったんですか?」「それ言うのわかりますけどーそれ言える状態じゃなかったんです」

 「どうして?」「その日の担当者知ってますんで〜私が遊んでんのも知ってますし〜謝って許してもらえず怒られると思って……」

 「………結局、あなたは原因なんだと思います?」「遊んだらそっちにのめり込んでしまう……ギャンブル症候群みたいなものだと思います」

 もう二度とやらないと誓って裁判は終了しました。求刑は懲役1年6月。平成19年まで前科がなかったので、刑務所でしっかり更生して欲しいと思います。なんか残念すぎる!

(文・長谷川零)

霞っ子クラブ

はせがわ・れい 女性傍聴集団・霞っ子クラブの元メンバー。国内のみならず海外でも裁判を傍聴し、さまざまな人間模様を描いている。主な共著に「霞っ子クラブ娘たちの裁判傍聴記」(新潮社)、「霞っ子クラブの裁判傍聴入門 」(宝島文庫)がある。

2009年10月20日  読売新聞)
この記事へのコメント
  • hayashi
    2009年10月20日 23:30

    記事文章が軽すぎる。事件を扱っているのだから
    もっと深い文章がかける人に依頼するべき。
    産経新聞にも同じような特集があるけれど
    もっと深く掘り下げているように思います。

    確かに犯罪者なんだけど・・それにしても
    ←これって税金?には驚いた。
    読んでいて結構 不愉快でした。

  • 山田太郎
    2009年10月21日 09:10

    昔、わかっちゃいるけど止められぬという歌が流行りましたが、まさに一言それですね。
    しかしパチンコのために自分の人生を台無しにするなんてフツーに生きている人ならとても想像できない話です。でも考えてみれば世の中にはこんな事件が多いことに気付きます。
    ほんの出来心から、万引きをしたり、盗撮をしたり、援助交際をしたり、女性下着を盗んだり、満員電車内でワイセツ行為をしたり、などなど。
    つい犯罪行為を犯してしまい、その結果として社会から冷たい視線を浴び、会社は懲戒免職で退職金もなし、妻とも離婚し家庭は崩壊し、気がつけば一人ぼっち。
    後悔先立たずでいくら悔やんでも悔やみきれない。
    そんな事だったらほんの少しでも自制心を働かせれば良かったのにとつくづく思いますがねえー。

  • 匿名111
    2009年10月21日 09:25

    おもしろい記事ですね。
    特に文書いている人のつっこみが…。
    読みながら時々、笑えました。
    ニュース自体は笑っちゃいけないけど、
    身から出た錆だし…、第三者が読んだら、
    思わず失笑してしまう事件ですよ、これは。
    ちなみに私も最後の晩餐は寿司じゃなくって、
    ラーメンと餃子を選ぶと思います。はい。

  • 匿名222
    2009年10月21日 17:04

    取材者には事件の起こる背景を掘り下げて貰いたい。被告はどうして失職したのだろうか?
    堪え難きを忍び、我慢に我慢を重ね、追い詰められた末の結果ではなかろうか?
    努力不足、認識の浅さ、本人の甘えと一蹴する前に、検証してもらいたい。
    際限なく右肩上がりの成績を要求され、苦心惨憺して達成すれば、胡坐をかいていると罵られ、さらなる出血を求められる。そんな人を人と思わぬ雇用情勢が横行している。
    そんなまるで、乾いた雑巾を絞るような荒んだ社会の病理が垣間見える気がする。

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