パチンコ情報提供会社「梁山泊」(大阪市)グループなどによる相場操縦事件で、証券取引法違反罪に問われたグループの実質的経営者、豊臣春国被告(58)に対し、大阪地裁は29日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年)を言い渡した。また求刑通り罰金500万円、追徴金9億7843万2500円とした。細井正弘裁判長は「利欲目的で架空売り上げを計上し、市場の公正性を損ねたが、社会的制裁を受けている」と述べた。
判決によると、豊臣被告は04年12月、IT関連企業「アイシーエフ」(現オーベン)が、梁山泊グループが支配する広告代理店を株式交換で買収した際、架空増資などで過大評価し投資家に虚偽公表した。さらに05年3月、大証ヘラクレス上場の通信サービス会社の株を仲間内で取引する「なれ合い売買」で株価操作した。
被告側は「虚偽公表をしていない」と一部無罪を主張したが、細井裁判長は「虚偽だったのは明らか」と退けた。【北川仁士】
毎日新聞 2009年9月29日 15時57分