ある民放テレビ番組でキャスターが「鳩山内閣の支持率が○○%となったことが調査で明らかになりました」と述べた。ちょっと待て。おたくが世論調査をしたら、その数字だったんだろ▼ある公共放送では、独裁政権を倒した革命後、米国による経済封鎖で困窮するキューバについてキャスターが「貧しさを分かち合う平等でした」と一言。そうじゃない。できる限り分かち合おうとしてきたのに邪魔され、仕方なく貧しいんじゃないか▼どちらも言葉の使い方を誤っただけだろうが、社会や物事のとらえ方そのものがおかしいとも受けとられる。報道に携わる者の一人として、あきれつつも気をつけよう。【太田裕之】
毎日新聞 2009年10月23日 地方版