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【裁判員 神戸地裁2日目詳報(下)】パチンコ生活について被告「出る時だけ狙えば、1日に3万くらいはいけてました」 (3/4ページ)
男性裁判員「その気持ちで動いていただかないと、何だったか分からないので、その辺よろしくお願いします」
被告「はい」
《男性裁判員は最後に真剣な表情で被告に“お願い”をして、質問を終えた。女性裁判員1人を除く裁判員5人が質問し、裁判員の被告人質問は終了した。ここで検察側、弁護側が論告弁論を練り上げるために15分間の休廷がとられた》
《午前11時35分、法廷が再開された。A4判の紙が1枚裁判長と裁判員に配布される。検察官が立ち上がり、証言台に進み出た》
検察官「検察官の論告求刑を行います。どのような刑罰を与えるか、検察官の意見を申し上げます」
《検察官は配布した紙を裁判員に示しながら、語りかけた。裁判員の半分以上は検察官を見つめ、時折目を手元の資料に落とす。検察官は、犯行そのものにかかわる事情として(1)被害者は被告を物心両面で助けてきた(2)動機が身勝手(3)無理心中を思いついた事情に同情の余地はない(4)強固な殺意に基づく大胆な犯行−と説明し、その他の事情として被害者による監督や指導が有効か、疑問が残ると指摘した》
検察官「最後に求刑について述べたいと思います。検察官は、いたずらに軽い刑にするべきではないと考えます。何の落ち度もない被害者に身勝手な理由から、殺意を持って強い攻撃を加えた責任は重いのであり、懲役5年という刑を与えることが相当と考えます」
《検察官はこう言い放ち、一礼して席に戻った。裁判員の中には考え込むような表情を浮かべる人も。続いて弁護人が立ち上がり、最終弁論を始めた。弁護人は(1)動機が憎しみや恨みからではない(2)被告の行動はその場の思いつきだった(3)殺害の方法は残虐ではなかった(4)結果は未遂に終わっている(5)傷害の程度は軽微(6)被害者に処罰を求める気持ちがない(7)被告に前科はない(8)被告は十分反省している(9)家族全員、被告の帰りを待っている(10)被告は就職して家族の生活を支える覚悟を持っている−の10点を有利な事情として訴えた》神戸地裁2日目詳報(上)
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