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【裁判員 神戸地裁判決詳報】猶予付き判決に「よかったな」と被告の背中をたたいた殺人未遂被害者の父 (3/4ページ)
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裁判長「被害者が、過去に被告を甘やかしていたことなどから自分が加害者であるとも述べるなどして被告の処罰を求めておらず、起訴しないことを要望する嘆願書を提出するなど1日も早く被告が家に戻ってくることを願っており、子らも同じ気持ちであるところ、このような被害者および子らの希望は最大限尊重されるべきである。被告が刑務所に収容された場合、被害者や子らの受ける打撃はかなり大きなものがあると推察され、それは避けるのが望ましいといえる。被害者が負った傷害は、幸いにも入院の必要がない程度の軽傷に止まっている」
《裁判長は、家族の気持ちを尊重したことが最大の理由であることを述べた。砂野被告はここで小さくうなずいた》
裁判長「被告は現在40歳でこれまで前科がないことから、被告には犯罪を繰り返すおそれは少ないと思われる。被告は本件を反省し、今後は就職して家族の生活を支えると約束している。このような事情からすると、被告を立ち直らせるためには刑務所に収容するのではなく、一度は父親の協力と保護観察期間による指導監督の下で、刑の執行を猶予して、社会の中で更生する機会を与えるのが相当であると考えた、というのが裁判所が刑を決めた理由です。わかりましたか」
《量刑理由の言い渡しが終わった。砂野被告は4回、小さく小刻みにうなずいた。ここで裁判長は、もう一度量刑の理由をゆっくりと述べ始めた。判決文と同じ内容だが、判決文を読み上げるのではなく、砂野被告の目を見ながらやさしく語りかける。裁判員と裁判官の思いをどうしても伝えたいという願いが込められているようだ》
《裁判長は控訴の申し立てができると砂野被告に伝えた後、判決にはない砂野被告へのメッセージを語り始めた》
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