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【裁判員 神戸地裁判決詳報】猶予付き判決に「よかったな」と被告の背中をたたいた殺人未遂被害者の父 (2/4ページ)
このニュースのトピックス:自殺
《砂野被告は2度、うなずいた。そして数秒後、深くうなずいた。保護観察は通常、再犯の可能性があると考えられる場合に監督するために付けられる。しかし、審理中、裁判員からは、砂野被告に相談相手が父親以外におらず、父親に頼りすぎてしまうのではないかとの質問が目立っていた。今回の保護観察は、再犯のおそれがあるというよりは砂野被告が仕事などで行き詰まったとき、保護観察官に相談できるようにするために保護観察に付したとみられる》
《裁判長は認定した犯罪の事実について告げた後、量刑の理由について述べ始めた》
裁判長「検察官の主張するとおり、自分が自殺した後のことを考えて家族を殺害しようと思いつき、すぐに実行したという点は身勝手であり、短絡的でもある。被告が仕事をしていると被害者に、うそをついてやっていたスロットで思うように金を稼げなくなり、借金も増えたことから自殺や無理心中を思いついたという本件の経過に同情の余地はない。さらに被告の借金返済や就職のめどはたっていないことからすると、被告と被害者だけの努力で更生できるかどうかは疑問である」
《裁判長が厳しい言葉を述べる。砂野被告は手を後ろで組んだまま、斜め前を見つめている。女性裁判員4人は手元の判決文に目を落としている。男性裁判員2人は砂野被告から目をそらさない》
裁判長「被告の刑事責任は重く、刑務所に収容して規則正しい生活を経験させるなどして更生させることも考えられる。もっとも、被告は灰皿が割れた後で攻撃できたのにそれ以上していないのであるから、強固な殺意を持っていたという検察官の主張には賛同できない」
《ここから裁判長は、執行猶予を選択した理由を述べ始めた。裁判員は全員顔を上げ、砂野被告を見つめた》
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