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【裁判員 神戸地裁判決詳報】猶予付き判決に「よかったな」と被告の背中をたたいた殺人未遂被害者の父 (1/4ページ)
《全国4例目、西日本で初となった神戸地裁の裁判員裁判は9日、判決公判を迎えた。神戸地裁1階の101号法廷。午前9時47分、殺人未遂罪に問われた砂野政雄被告(40)が入廷した。弁護人席の前に座り、緊張したように両手を体の前で組み合わせて下を向いている》
《砂野被告は借金などに悩んで一家心中を考え、5月24日午前3時13分ごろ、父親(74)を灰皿で2回殴りつけて殺そうとしたとして起訴された。父親は頭に10日間の傷を負ったが、公判には情状証人として出廷し、「帰ってきてほしい」と訴えた。事実関係に争いがないため、争点は量刑のみに絞られている。検察側は懲役5年を求刑。弁護側は懲役3年、執行猶予4年が妥当だと訴えた》
《9時49分、裁判長3人と裁判員6人が現れた。裁判員の表情からは何も読み取れない。どんな判決が言い渡されるのか》
裁判長「それでは開廷します。砂野被告、マスクを取って証言台に向かってください」
《砂野被告が証言台に進み出た。裁判員の目は一斉に砂野被告に注がれる》
裁判長「主文、被告を懲役3年に処する。この裁判確定の日から4年間、その刑の執行を猶予し、その猶予の期間中、被告を保護観察に付する」
《弁護人が主張した通りの量刑だ。裁判員らは砂野被告を刑務所に送るのではなく、社会の中で立ち直ることを選択した。裁判長は、執行猶予と保護観察の内容を砂野被告にわかりやすく説明する》
裁判長「今日直ちに釈放して社会に戻ることができるということです。4年間の猶予期間中、保護司さんの所に月に数回行って、仕事のこととか話して指導を受けたり、相談をするなりして監督してもらうということです。保護観察所で指示される事項が決められますから、きちんと守るようにしなければいけません。違反すると執行猶予が取り消されてしまう。4年間は特段に生活について気をつけなければならないということです」
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