厚生労働省は23日、医療従事者約2万人を対象にした新型インフルエンザワクチンの副作用調査で、4人に一時的な歩行困難など入院相当の異常が見られたと発表した。ワクチン接種との因果関係はいずれも不明で、全員回復している。季節性のワクチンと異なる副作用はないという。
19日から医療従事者約100万人への接種が始まり、うち国立病院機構の67病院にいる2万2112人に副作用の報告を求めた。重い副作用とされたのは▽両足の筋肉痛による歩行困難▽嘔吐(おうと)▽脈拍の上昇▽発熱と意識低下--の4例。他にショック状態など軽い副作用報告が3例あった。2万人以外の医療従事者からも25例の報告があったが、すべて回復しているという。
季節性のワクチンでは、毎年4000万~5000万人への接種で百数十例の副作用報告がある。今回の重い副作用の率は0.02%でそれより高いが、厚労省は「調査方法が違うので、新型のワクチンに副作用が起こりやすいとは言えない」としている。【清水健二】
毎日新聞 2009年10月23日 20時40分