トヨタ自動車の豊田章男社長は2日、フロアマットの不具合により、米国で380万台のリコール(無償の回収・修理)を行う見通しになったことについて「顧客第一を念頭に迅速に対応する」と語った。「レクサス」に乗った米国の一家4人が死亡した事故でマットの不具合が指摘されている点については「亡くなられた方にお悔やみ申し上げる」と述べ、トヨタ車ユーザーに対して「不安を与え申し訳ない」と陳謝した。
日本記者クラブで講演した際、質問に答えた。リコールに発展した場合、トヨタの業績に影響が出る可能性があるが、豊田社長は「『トヨタ丸』は(世界的な不況の影響で)既に大変な嵐の中にある」としただけで、具体的な影響には触れなかった。
一方、最近の急激な円高傾向を踏まえ、業績の先行きについては「販売台数を伸ばすだけでは黒字化は難しい」と説明した。国内外の景気刺激策の効果で新車販売は復調傾向にあるものの、黒字化には大幅な過剰が指摘される生産体制の見直しも必要との考えを示した。【大久保渉】
毎日新聞 2009年10月2日 18時43分(最終更新 10月2日 18時49分)