石原都知事、森田千葉県知事など首都圏の知事オールスターズが結集しました。向かった先ではみんな怒っていたようです。
19日午前9時半、都内、ヘリコプターの発着場に到着したのは石原都知事。自宅を出る際には・・・
「これから行く人間に聞いたって分からないよ。(Q.意気込みは?)意気込みなんて分からない。見なきゃ分からない」(東京都 石原慎太郎都知事)
見なければ分からないという目的地へ、上空視察も兼ねて向かいました。その場所とは、前原国土交通大臣が建設中止を明言している群馬県の八ッ場ダムです。1都5県の知事が合同で視察を行うためです。一方、こちらの知事は・・・
「エイ!エイ!オー!いざ出陣!」(千葉県 森田健作知事)
18日、千葉・館山で行われたイベントに甲冑姿で登場した森田知事。
「(八ッ場ダムは)治水利水の面においても、千葉県はものすごく大事なんですね」(千葉県 森田健作知事)
午前11時、八ッ場ダムに集まったのは国とともに事業費を負担する東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の6知事。1都5県の知事はいずれも水害防止という治水、さらに工業用水確保などの利水という両方の観点から八ッ場ダム建設を求めています。
また、4600億円と見積もられている事業費のうち、1都5県は既に半額近い1985億円を支出しています。そのため、ダム建設を中止した場合、支出したものの返還請求の意向を示しています。
国土交通省の職員から、岩の強度や性質などについて説明を受ける石原都知事ら6知事。
「ほとんど問題ない?」(千葉県 森田健作知事)
「問題ないです。こんなに良いダムサイト(用地)は、全国探してもなかなかない」(国交省職員)
「そういうのは、しっかりと発信してくれないと」(群馬県 大澤知事)
そして6知事は、ダムが完成した場合湖の底になってしまうという800年の歴史がある川原湯温泉地区をバスの車内から視察。
午後1時半からは自治体や住民との意見交換会。このときも、森田知事は燃えていました。
「これは入り口を間違った。やり方が納得できない。ダム中止を一時棚上げにすべきだ。そのくらいの度胸が民主党にはあるでしょう」(千葉県 森田健作知事)
「マニフェストか公約か知りませんけれども、すでに決めたことだからということは、これはどう考えても民主主義の原理に私はもとると思いますね。異常気象のもたらす災害が頻発しているわけで、ここまできたらダムのプロジェクト、これから先どういう気象変化が何をもたらすか分からない時代で、これを作っていくことは絶対必要だと私は思います」(東京都 石原慎太郎知事)
およそ40人集まった推進派の地元住民からは・・・
「(ダムは)住民の生活になくてはならないほど根をおろし、いまやなくてはならない」(地元の住民)
ダム建設に対し、全員が一致した意見だとアピールする形にもなった今回の6知事合同視察。一方、建設中止問題で矢面に立つ前原大臣は、先週金曜日の会見で・・・
「昨日、1都5県の知事に対してお手紙を差し上げました。しかるべき時期に意見交換の場を持たせていただきたいと」(前原誠司国交相)
今後、改めて各知事に説明を行いたいと話し、中止の方針をどう納得させるのかが焦点となりそうです。(19日17:01)