Upgrade Advisorの日本語版が正式にリリースされた |
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■山田祥平のWindows 7カウントダウン■XPが撲滅できるなら猫も杓子も7でいいじゃないか
マイクロソフトが「Windows 7 Upgrade Advisor」を正式公開した。また、つい先日まで、英語版だったオンラインヘルプも、日本語版に差し変わっている。製品の一般向け販売まであと数十時間だというタイミングで、ずいぶんギリギリの印象を受ける。そんなわけで、待ちに待った発売までもうわずかだ。 ●Windows 7発売直前 最新の調査によれば、Windows 7対応の周辺機器は50社から4,141製品が登録。またソフトウェアは、163社から1,622製品だ。この数字は、Vistaの同時期に比べて2.5倍以上であるという。Vistaとの互換性が高いこともあるが、やはり、各社ともに本気で、流れを作ろうとしている印象を受ける。
Windows 7パッケージ版の販売は10月22日の午前9時で、東京・秋葉原のヨドバシカメラと、有楽町のビックカメラでは早朝8時からイベントが開催され、9時から販売が開始される。また、それに先立ち、秋葉原ではDSP版が深夜0時に発売されるようで、新OS、新CPUなどの発売時にお約束の深夜販売の光景も見られるはずだ。 この手の深夜販売は、Windows 95のときに初めて出かけ、そのお祭り気分のようなものを堪能したが、以来、できるだけ出かけるようにしている。今回は、ショップでのイベントも開催されるようで、19時頃から午前0時過ぎまでの長丁場となりそうだが、やはり、この記念すべき夜を誰かと共有できればと思う。 さて、2009年1月にベータが発表され、続いて5月にRC、そして、7月にRTMと、3度のインストールを繰り返し現在に至っている手元のWindows 7環境だが、これだけ長く使っていると、いろいろなことがわかってくる。ベータの出来が良かっただけに、RCやRTMで、再インストールしても、あまり変わった気がしないのも事実だ。それに、RCの時代から、致命的ともいえる不具合は体験できず、継続的な日常利用をやめる理由が見つからなかった。でも、とにかく、いろいろな環境に入れてみたので、例えば、Professionalにリモートデスクトップ接続したときにデスクトップコンポジションが有効にならないとか、仕様とも不具合とも決められない現象も見つかっている。 また、前回の記事で読者の方からご指摘をいただいたが、Home Premium では64bit版でも16GBまでしかサポートされない点も、あまり知られていないようだ。4GB以上のDIMMを3枚、4枚と装着しようとしているユーザーが、どのくらいいるのかはわからないが、発売に合わせてシステムをリニューアルする計画のある方は注意してほしい。
IPv6が悪さをするようなことも体験した。未だに見つからないのが、Vistaにあったネットワークの統合機能だ。新しいネットワークに接続したときに、パブリックネットワーク、ホームネットワーク、社内ネットワークを指定するのだが、Vistaにはあった同じネットワークをグループとして統合する機能が、7ではどうしても見つからない。 ●メーカー製のPCユーザーは、とにかく待つしかない
手元の常用環境では、貧乏性の悲しさか、せっかくの4GBメモリを全部使い切ろうと、Let'snote R8の2009年春モデルのOSを、32bit版のWindows 7から64bit版に入れ替えてみた。タスクマネージャで見ても日常環境で3,934MBが認識され、1.43GBが使用中となり、ちょっと贅沢な気分が味わえている。
幸い、このPCで常用している機器やソフトウェアは、すべて問題なく使えることがわかったので、しばらくはこのままいくつもりだ。そのうち、なんらかの問題が出て、32bitに逆戻りというパターンもあるかもしれない。 そういうことを考えると、購入時に32bit版か64bit版を選ばなければならないDSP版は、ちょっとギャンブルともいえる。両方を試してみるということができないからだ。深夜発売で入手することはできなくても、翌朝なら製品パッケージが購入できるのだ。よく考えて行動してほしい。 一方、一般のユーザー、特に、現在、現役で使っているメーカー製のPCをWindows 7に移行したいと考えているユーザーだが、各社ともに、対応機種については、現時点で、いつドライバ類を提供開始するかを明確には公表していないようだ。これらの対応の素早さで、メーカーごとのサポートの手厚さが判断できそうだ。 ・NEC: 2010年10月下旬よりドライバ類を収録した導入ガイドをNECダイレクトショップで販売開始予定。企業向けに関しては1月〜3月にドライバを提供 URL
XP PCのユーザーは、そのまま使い続けるか、いっそのこと買い換えを検討しているだろう。OSのアップグレードは、コストの点で、かなり勇気がいる買い物になるが、入れたら入れたで快適な環境が得られると思う。また、VistaプリインストールのPCを3年前の発売直後に購入したユーザーは、かなり高額な買い物だったはずだ。そのままSP2で使い続けてもいいが、Vistaとの互換性の高さや使い勝手の向上を考えるなら、7にアップグレードしてもいいんじゃないだろうか。 ●まずは試してみてほしい
おそらくは、このコラムの読者であれば、自分で情報を集め、7を使うかどうかを自分で決められるだろうし、もしトラブルが起こったとしても、自分の実力で回復できるだろう。そして、多くの場合は、身の回りの知人友人から質問攻めにあうはずだ。面倒くさいことではあるが、できるだけ対応してあげてほしい。困っていることに気がつかないのは困っていないに等しいというのはわかるし、そんなユーザーが、OSのアップグレードに取り組むのは無謀なことも理解できる。万が一、トラブルで、データが失われるようなことが起こったら、バックアップをとっていなかった自分が悪くても、そのメーカーのPCは二度と買わないといった気持ちになるにちがいない。 パワーユーザーなら数百GBのUSB HDDの1つや2つは手元にあるだろう。未熟なユーザーから相談を受けたら、そのドライブを使ってバックアップをきちんととった上で、自分のメディアでインストールしてみて、うまくいったらパッケージを購入するという手もあるのだ。その評価のために、Windowsはプロダクトキーを入れなくても30日間は使えるようになっている。 実は、先にメールをいただいた読者の方からは、なぜ、XPモードを取り上げないのかという指摘もいただいた。Professional以上のエディションでは、XPの仮想環境がXPのライセンスとともに提供されるが、Home Premiumにはない。上位エディションを選択する重要な理由になるはずだという趣旨だった。それは十分にわかった上で、この連載では、何となくこの機能について触れてこなかった。個人的には7の使命の1つはWindows XPの撲滅だと思っている。手元の環境で、まるで必要ないということもあるが、さすがに、ここまで来ると触れないわけにはいかない。機会を見て紹介することにしたい。 このコラムが掲載されるころには、10月22日午前零時まで24時間を切っているはずだ。一足先に7を体験してきたぼくらと同様に、好印象で受け入れられることを願っている。
(2009年 10月 21日)
【PC Watchホームページ】
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