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パキスタン・アフガン国境:検問所、半数以上を撤去

 【カブール栗田慎一】パキスタンの有力英字紙「ニューズ」は19日、北西辺境州政府や軍部の情報として、パキスタン軍が反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)との戦闘を続けている部族支配地域のアフガニスタン側国境で、米軍とアフガン軍が設けていた主要な検問所が半数以上も撤去されたと報じた。パキスタンでの共同作戦を求めている米国が、あえてアフガンのタリバン戦闘員の越境を容易にさせたとの見方も出ている。

 アフガンのタリバンを巡っては、現地語有力紙が18日、TTP支援のためパキスタン軍への攻撃参加を決めたと報道。アフガン戦争の主戦場がパキスタン国内に移る可能性が指摘されている。

 ニューズによると、撤去されたのはTTPの拠点である南ワジリスタンや北ワジリスタンなど武装勢力の活動が活発な部族地域の国境に近い8検問所。

 米国はこれまで、パキスタン側に共同軍事作戦を要求。民生支援の実施条件にした法案にオバマ米大統領が署名し、法案を受け入れるよう圧力を強めている。アフガン国土の8割を掌握したとされるタリバンの戦闘員が大量越境してきた場合、パキスタン軍はより激しい戦闘を強いられ、国内はさらなるテロ攻撃にさらされる危険性が高まる。

 一方、パキスタン軍によると、戦闘3日目の19日までに武装勢力側60人、軍側6人が死亡。これに対し、TTP側は「軍側に大きな犠牲を与えた」とし、双方ともに戦況の優位性を主張している。パキスタン軍は4月以降、戦場へのジャーナリストの立ち入りを禁じており、検証不可能な状態が続いている。

毎日新聞 2009年10月19日 21時25分

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