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あなたのコトバで世界を変える

食のココロ

Daikon

情けない話だが、買った野菜を使い切れず、腐らせてしまうことがある。
そういう場合はどうしようもないので、「ごめんなさい」と両手を合わせて、ゴミとして処理する。
よく、「ほっといたら、ジャガイモやニンニクから芽が出ちゃってさあ」という話があるが、うちの野菜は、ただひたすら、ぐちゃっと駄目になる。私が何か、悪い気を発しているのか? 変な電波を出しているのか? と悩んでしまうほどに…。

だからたまに、「ほっといたら、にんじんの芽が出ちゃって、可愛いから、育ててみているの」なんて人がいると、すごいなあ! と感心してしまう。
「もやしを再生させて、育ったら食べます」という、節約主婦の方も、すごいと思う。
どうやったらそんなことが出来るのだろう? 普通に水栽培しているだけなのだろうけれど。
私の、野菜への愛が、足りないのだろうか。

一度、野菜たちと向き合ってみよう。
そして、野菜の生命力を感じさせて頂こうじゃないか。
そう思い、料理に使わなかった部分の野菜たちを、集めた。

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今回試してみたのは、にんじん、大根、水菜、そして豆苗。
にんじん、大根は、上手く育てれば花が咲くらしい。見てみたい。
水菜と豆苗は、育てば、また加熱して食べられるかも。夢はふくらむ。

実験開始から2日目

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狭いな、と思ったので、にんじん&大根と、豆苗を別居させてみた。
そしてお世話は…、水をかえるだけ。とにかく新鮮な水のほうがいいに決まってる。
水菜には、早くも変化が! そろった切れ目だったのに、ぴょんぴょんと、葉っぱがはみ出している。元気だなあ水菜! 通常だと、すぐ使わないと、シナシナになってしまう野菜なのに。
期待大だ。

3日目、にんじんが!

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3日目になると、にんじんにも変化が。実にちょこっとではあるが、青い芽が出て来た。なんて可愛いんだ。愛おしい。
豆苗も、ちょろっと1本、葉っぱが生えてきた。こいつも可愛い。植物の芽って、何でこんなにキュートなんだろう。普段あんまり考えないけれど、野菜だって生物で、芽は赤ちゃんで、だから可愛いのだな、と思った

4日目、順調に…?

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豆苗が、一気に、ずずずずずいっと生えてきた。妙に迫力がある。生命のパワーはすごい。
一方、にんじんと水菜は、地味な変化のみ。大根にいたっては、ほとんど変化なし。大根、育ってくれないんだろうか…。

5日目、まさかの事態

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朝起きて、さあ水をかえてやるぞ、と野菜を見たら……あああああっ!!!!!
水菜が駄目になってしまっていた。
どうして? 昨日まであんなに元気だったじゃない! こんなに突然に…。
たかが水菜の根っこなのに、ものすごく悲しかった…。
実は、だんだん愛着がわいてきていたので、それぞれの野菜に名前をつけよう、と考えていた。ロドリゲスとか、チャッピーとか。名前をつけた後だったら、もっと悲しかったかもしれない。
豆苗、そして片方のにんじんだけが元気だ。

6日目、やっぱり豆苗だけが元気

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やっぱり豆苗は元気。すくすくと伸びていく。根っこがいっぱい残っているものだから、育ちやすいのかもしれない。
一方、にんじんの片方と大根は、なんだか嫌な雰囲気。腐っているわけではないのだが、しなびている…。

7日目、にんじんがんばる

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大根が、クタっとしてしまった。葉の真ん中くらいが、まだ生きているけど…。
にんじんは、葉がどんどん大きくなって、さらに可愛くなってきた。よしよし。

8日目、さようならダイコン

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ダイコンと、にんじんの片方が、ついに腐ってしまった。なんてこと…。
にんじんにいたっては、全く同じお世話をしたのに、一方は生え、一方は育たず。生命力に、差があるのかもしれない。
豆苗は、ぐにょんぐにょんとのびきってしまった。

9日目、うえかえる、そして12日目

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仕事で出張があったので、土と植木鉢を買ってきて植え替え、水をやって留守番をさせてみた。
3日後…、豆苗はなんとか生きていたけど、ニンジンの葉っぱは、しなびちゃっていた。
結果、生き残ったのは豆苗のみ。ああ…。


愛でるのは楽しいけど、むずかしい

何がいけなかったんだろう、と、後で調べたんだが(というか先に調べておくべきだったんだが)、

・水は1日、3回以上変えるのがベター。
・水で腐るかな? という心配があったら、ガーゼなどで根っこをフォロー。
・根っこのある野菜のほうが再生しやすい。数日、水栽培にして、野菜を元気にしてから、土に植えかえるという感じ。
・にんじん等は、植えかえるというより、葉っぱを観賞するのに人気で、花を咲かせるまでリトライを繰り返す人も多い。

そう、水は1日1回しかかえてなかったし、ガーゼも使わなかった。
植え替え時期も、遅かったかもしれない。
にんじんは難易度が高かったのか。もっとたくさんのにんじんで、トライすれば良かった…。

とりあえず豆苗だけは元気に育っているのだけれど、これから冬になってしまうので、早めにつみとって食べてしまったほうがいいのわけなのだが…。
既に情がうつってしまったので、食べにくい!! どうしよう。
いや、なんとか泣きながら、食べるけれど。
生き物としての、野菜のありがたみを深く感じながら。

今後、また、スキをみて、にんじん水栽培に挑戦したい。
花を咲かせたい。
くず野菜園芸って楽しい。いつか、どんなものも腐らせない、テクニシャンになりたいものだ。野菜と対話しながら。


大塚 幸代

大塚 幸代(おおつかゆきよ)
ライター。雑誌『クイック・ジャパン』編集部に在籍後、フリーとしてネット・雑誌を中心に執筆。現在「東京女子プロジェクト」に参加中。
> 個人サイト 日々の凧あげ通信


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