【モスクワ大木俊治】旧ソ連の親ロシア7カ国で構成する軍事同盟「集団安保条約機構」は16日、今年2月に新設した合同緊急展開部隊の初めての軍事演習を中央アジア・カザフスタン南部のマティブラク演習場で行い、ロシアのメドベージェフ大統領ら各国首脳が視察した。
同機構はロシア主導で92年に発足したが、実戦に対応できる合同部隊はこれまでなかった。ロシアは同機構を北大西洋条約機構(NATO)に対抗する組織と位置づけることで欧米に対する発言権の強化を狙っており、今回の演習もその一環と言えそうだ。
集団安保機構の加盟国はロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン。現地からの報道によると、16日の演習にはロシアの空挺(くうてい)部隊など計約7000人の兵士、約300台の戦闘車両や戦闘機が参加。カザフスタンのナザルバエフ大統領は視察後、演習は成功だったと評価し、「今後は2年に1回行うよう定期化すべきだ」と述べた。
しかし、加盟7カ国のうち新部隊設置に正式に調印しているのは5カ国。ベラルーシはロシアとの経済摩擦、ウズベキスタンは米国への配慮から調印を留保しており、両国大統領は16日の演習視察に参加しなかった。
毎日新聞 2009年10月16日 21時15分
10月16日 | 親ロシア:軍事同盟の新設部隊が初演習 |