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泊原発沖に活断層か 東洋大調査 M7・5地震の恐れ (10/16 01:01、10/16 06:57 更新)

 後志管内泊村の北海道電力泊原発から西に約15キロの海底に、これまで未確認の長さ60〜70キロの活断層がある可能性が高いとの研究結果を、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)らがまとめた。周辺海底の活断層の中で最も泊原発に近く、マグニチュード(M)7・5以上の地震を起こす恐れがあるとされる。渡辺教授は「北電による泊原発の耐震安全性評価は不十分で、やり直すべきだ」と指摘している。

 京都市で23日に開かれる日本地震学会で発表する。

 渡辺教授は7月、積丹半島西岸の約12万5千年前の海岸線などを調査。泊原発付近の海岸線は標高30メートルだったのに対し、約15キロ離れた同管内神恵内村役場付近では標高60メートルと、徐々に高くなっていることが分かった。約6千年前の海岸線も神恵内村北西部の川白地区で泊より4・5メートル高かった。

 北電が行った音波探査の記録などから、泊原発の西約15キロ、神恵内村からは西約7〜8キロの海底に南北長さ60〜70キロの活断層がある可能性を指摘。大地震のたびに海岸線が持ち上がり、泊よりも活断層に近い神恵内の方が大きく隆起したため、高低差が生じたとみる。

 一般的に長さ70キロの活断層はM7・5以上の地震を起こすとされる。

 渡辺教授は「泊から神恵内にかけて現在の海岸でも地震で隆起したとみられる地形が続いている。これらのことは、未確認だった活断層の存在以外に説明がつかない」と話す。

 北電は昨年10月と今年3月、国の耐震指針に基づく泊原発の耐震安全性評価結果を発表し、「安全性は確保されている」としたが、評価対象に渡辺教授らが指摘する活断層は含まれていない。

 北電広報部は「研究内容を承知しておらず、コメントできない。評価は適切に行ったと考えている」としている。

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