原爆ドーム前で核廃絶を願うキャンドルメッセージがともされた=17日夜、広島市中区、小玉重隆撮影
日豪が主導する賢人会議「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の委員らが17日、最終会合が開かれる広島市に入り、平和記念資料館で被爆者の声に耳を傾けた。核廃絶を望むヒロシマの心を伝えようと、市民やNGOも歓迎行事を繰り広げた。
平和記念資料館では、元館長の高橋昭博さん(78)が、14歳のとき中学校の校庭で被爆した体験を語った。高橋さんは、原爆症で亡くなった級友のぼろぼろの衣服を見せ、「論議を核兵器全廃につなげてほしい」と求めた。委員会の共同議長のエバンズ元豪外相は「深く心を動かされた。委員たちも責任を感じたと思う」と報道陣に語った。
エバンズ議長はこの後、市民ら約200人がろうそくで「NUCLEAR FREE NOW!」(今こそ核廃絶を)と描く原爆ドーム前での催しに飛び入り参加。「なぜ核兵器をなくさなければならないのか真剣に議論することを約束する」と述べ、拍手を浴びた。
旧広島市民球場では、広島市主催の「核兵器廃絶のための市民集会」が開かれた。約1千人の市民が、並べた折り鶴と人文字で「NO NUKES 2020」(2020年までの核廃絶を)のメッセージを表現、訪れた委員らに見せた。