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顧客批判の投稿メール漏らす 山形・きらやか銀

2009年10月9日15時5分

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 山形県の第二地銀・きらやか銀行(本店・山形市)が、受け取った融資先の業者を批判するメールを、そのまま業者に漏らしていたことがわかった。東北財務局は個人情報保護法違反の疑いもあるとみて、銀行の処分を検討している。同行はメールの送り主に謝罪した。

 投稿したのは、福島県内のクリーニング業の男性。同行の融資先の大手クリーニング業者の過去の不祥事に触れながら、業者の経営計画に疑問を投げかけ、銀行側に融資の再考を促す内容だった。男性が氏名、住所、電話番号、メールアドレスを添えて、7月末に銀行のホームページから送った。

 男性は今月、同業他社や関係団体の職員から「あなたが誹謗(ひぼう)中傷していると、大手業者が言っている」と知らされた。この業者から流れてきたという文書を見せられ、「これ以上騒動を起こすな」などと言われたという。文書の中身は、銀行に投稿したものと同じで、名前や住所なども明記されたままだった。男性は今月6日、きらやか銀行に説明を求め、内部調査で、業者担当の行員から流出したことがわかった。

 銀行のホームページの投稿欄には「回答を目的として利用し、他の目的では利用しません」と明記されている。銀行によると、メールは広報部から業者の担当支店に伝えられ、支店の担当者が内容調査のため業者を訪ねた際、社長の求めで投稿メールを印字した紙を渡したという。

 男性は「メールがどこまで流出しているかわからず、大変怖い。業界内で非難され、商売にも影響が出かねない」と話した。

 業者は取材に対し、「書かれた内容について相談するため社長が文書を数人に見せた。投稿者を非難する目的はない」と説明している。きらやか銀行リスク管理部の玉ノ井俊行部長は「信頼をいただいたお客様を裏切る行為で、申し開きができない。管理態勢に問題があった」と話し、今後、流出文書の回収を図るという。

 きらやか銀行は、山形など東北地方を中心に117店舗を持ち、従業員約千人、預金残高は約1兆1千億円。(斎藤健一郎、東野真和)

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