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八ツ場ダムに驚愕の実態「談合の可能性極めて高い」

群馬県長野原町の八ツ場ダム建設予定地(中央下付近)
群馬県長野原町の八ツ場ダム建設予定地(中央下付近)
Photo By 共同

 前原誠司国土交通相が中止を表明している八ツ場ダム(群馬県長野原町)事業をめぐり、国交省関東地方整備局が2001年4月から06年3月に発注した関連工事や業務で、落札額が1億円以上だった入札76件のうち65件が落札率(予定価格に対する実際の落札価格の比率)94%を超えていることが17日、国交省がまとめた資料で分かった。99%以上も8件あった。

 公共事業の談合問題を分析、追及している全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は一般論とした上で「94%以上であれば談合の可能性は極めて高い」と指摘している。08年度の関東地方整備局工事の平均落札率は90・06%。

 関東地方整備局は「八ツ場ダムの関連工事で、過去に談合と認定した事実はない」としている。

 市民オンブズマン群馬は「入札で参加業者の辞退も多く、落札率が高いのは不自然」として近く国交省に質問状を提出する方針。

 資料によると、03年3月に契約した県道林・吾妻線新設工事(落札額2億9千万円)の落札率は99・47%で、大柏木トンネル新設工事(同34億円)は97・12%。05年9月契約の須川橋改築工事(同3億500万円)は落札率98・3%、06年3月契約の県道林・吾妻線2号橋下部工事(同5億6千万円)は98・34%だった。

 また「現場技術業務委託」として、特定の社団法人が5回にわたり98〜99%の落札率で受注。04年10月当時、この社団法人の役員に再就職した元国交省職員が2人いた。

 09年4〜9月の工事22件でも18件が落札率94%を超えていた。

 八ツ場ダムは国が1952年に利根川支流の吾妻川に建設する計画を発表した多目的ダム。住民の反対運動を経て94年に着工し、2015年度完成予定だったが、政権交代で前原国交相が中止表明し、本体工事の入札を凍結。地元や関係都県などから反発が出ている。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2009年10月17日 14:30 ]

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