伊賀、名張両市の2次救急の輪番制で、開始の昨年4月から今年8月末までに、地域内3病院での受け入れ不能件数は440件だったことが15日、分かった。内訳は、名張市立283件▽岡波総合141件▽伊賀市立上野総合市民16件。期間中の救急担当日数は、名張市立237日▽岡波総合129日▽上野総合市民152日--だった。
名張市議会で開かれた第2回伊賀市・名張市議会地域医療問題研究会で、両市の担当者が明らかにした。
3病院が受け入れ不能だったケースでは、市内外の病院に対応を打診し、最も多く受け入れたのが甲賀病院(滋賀県甲賀市)の57件。以下、三重中央医療センター(津市)22件▽天理よろづ相談所病院(奈良県天理市)20件▽県立総合医療センター(四日市市)と伊賀市立応急診療所が各17件▽浅野整形外科内科(伊賀市)16件--だった。
医師数は年々減少しており、名張市立病院は23人(08年度末現在)、上野総合市民病院は18人(今年7月現在)。このため、市民病院の村山卓院長は来年度以降の輪番制継続について「現状では困難」との見通しを示しているが、伊賀市の中出富一・健康福祉部長はこの日、「10年度も継続していきたいと思っており、医師確保に努力している」と述べた。【渕脇直樹】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2009年10月16日 地方版