ムソリーニ
【ロンドン=土佐茂生】第2次世界大戦時、イタリアの独裁者だったムソリーニが、ジャーナリスト時代に英国の情報当局から当時としては高額な週100ポンドの報酬を受け取り、英国にとって有利な記事を書いていた、と英紙ガーディアンが14日報じた。ケンブリッジ大の歴史家ピーター・マートランド教授が、当時ローマで英情報当局の責任者だったサミュエル・ホア卿の文書を調査してわかった。
同紙によると、第1次世界大戦末期の1917年秋、連合国として英国とともに戦っていたロシアが革命が起きたために戦線を離脱。同様にイタリアも撤退するのを恐れた英国はムソリーニに近づき、約1年間にわたってムソリーニが編集する新聞「ポポロディタリア」に戦意を高揚させる記事を書かせたという。
また、ムソリーニは当時、ホア卿に対し、ミラノであった反戦運動を武力で弾圧する提案もしていた。
報酬100ポンドは、現在の6千ポンド(約85万円)に相当する額だった。