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MOX装填「九電は説明責任を」

2009年10月15日

 九州電力が県議会の反発に配慮して日程を白紙に戻していた、玄海原子力発電所3号機(玄海町)でのプルサーマル発電用の燃料装填(そう・てん)作業が、15日から始まることになった。県議会の最大会派・自民党が事実上の作業開始容認で一致したのを背景に14日、留守茂幸・県議会議長もあっさりと九電の通告を受け入れた。他の会派や反対する市民団体は「九電は説明責任を果たせていない」と反発した。

 14日午後、留守議長からのファクスでプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の装填日程を知った県民ネット、共産、公明、市民リベラルの会の4会派の県議約10人が、議長室に詰めかけて抗議。「前といっちょん変わらん」などの怒声が響いた。

 九電が作業日程を白紙に戻したのは、県議会で燃料装填の延期を求める請願を審議中、作業日程が唐突に発表されたことに、県議会の全会派が反発したためだ。

 新たに決まった日程についても議会への事前説明がなかったため、4会派の議員らは「九電は反省していない」と批判。プルサーマル導入自体には反対していない伊藤豊議員(公明)すら「議会が議論する間がないうちに作業をするのは、筋が通らない」とただした。牛嶋博明議員(県民ネット)は「議会運営委員会を開き、その結論が出るまで、再び作業延期を求めるべきだ」と留守議長に迫った。

 これに対して留守議長は「議運の委員長(自民・稲富正敏議員)が電話に出ないので、協議できない」と繰り返した。自身が所属する自民党県連の政調会メンバーが今月、MOX燃料を製造したフランス・メロックス社を視察したことなども挙げ、「燃料の安全性は確認できたと思う」とし、燃料装填について容認の構えを見せた。

 九電の真部利応社長から電話で作業日程を告げられたという古川康知事は、取材に応じ、「九電の対応は議会の審議を踏まえたもので、電力事業者として責任を果たしたと思う」と話した。

 一方、玄海原発の地元・玄海町の住民団体は、こうした動きに反発を強めている。玄海原発対策住民会議の藤浦晧会長は「住民に対して何ら説明もない状態で作業を始めるのはむちゃくちゃだ」としたうえで、県議会に対しても「直ちに作業の再度延期を求めるべきなのに、九電に対して物分かりが良すぎるのではないか」と不満を述べた。

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