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前原国交相「羽田空港ハブ化」発言 成田空港周辺の自治体、発言撤回を求めることで一致

10月14日0時37分配信 フジテレビ

前原誠司国土交通相の羽田ハブ空港化発言に、森田健作千葉県知事らが猛反発している。
森田知事は会見前、苦々しい表情でため息をついた。
特技は早寝早起きというが、森田知事は「本当、きのうね、頭にきて眠れませんでしたよ」、「もうね、あんな重い言葉を発言するなら、一度は、わたしたち地元、県の話を聞いてくださいよ! 一度は説明してくださいよ! 本当ね、こんな理不尽なことが続くならば、千葉県怒りますよ! 冗談じゃない!って」などと怒りをあらわにした。
怒りの原因は、前原国土交通相の「ある構想」だった。
前原国交相は「やはり、日本にハブ(空港)をつくらなくてはいけない。そのハブになり得るのは、まずはわたしは羽田だろうと」と述べた。
「ハブ空港」とは、国際線と国内線の中継拠点となり、アジアの空の玄関として機能する拠点空港のこと。
前原国交相は、羽田を24時間国際空港としてハブ化することをぶち上げた。
森田知事は「成田空港はね、皆さんがご存じの通り、大変な闘争があって血が流れました」、「わたしたちは皆さんと話し合って、1つずつ、1つずつ積み重ねてきて、ここまで来たんですよ。それがあの大臣の一言でパーですよ」と述べた。
森田知事の怒りはとどまることを知らず、前原国交相が打ち出した「内際分離」の方針撤廃についても、「せっかく皆さんの理解を得ながら共存共栄、首都圏としての国際空港、頑張ろうと言っているときに何てこと言ってくれるのか。残念です」と述べた。
森田知事は14日、前原国交相と面会し、発言の真意をただすという。
一方、批判の的の前原国交相は「成田を羽田に移して、成田は駄目になるということではなくて、国際便も地方便も含めて、うまく羽田にある程度集約してく中で、どちらもうまくいくという形を考えていきたい」と述べた。
前原国交相は14日の会見で、羽田と成田の共存共栄を目指すことを強調した。
しかし、あくまで「ハブ化」は羽田空港という姿勢は変えていない。
さらに、韓国の仁川(インチョン)空港が、日本のハブ空港になっていることを指摘した。
その言葉通り、成田空港から日本の都市空港への定期便は、わずか8路線。
これに対し、仁川空港からは、27路線就航している。
さらに、成田 - 羽田間は、電車で1時間半以上かかるため、成田空港ではなく、仁川空港を経由する旅行者も多いとみられている。
成田空港の利用者は「やはり成田空港っていうのは、ちょっと距離的に遠いですよね」、「羽田の方が便利だと思います」などと話した。
成田空港周辺の自治体は急きょ、対応を協議し、前原国交相の発言撤回を求めることで一致した。
小泉一成成田市市長は「地域に説明がなく、トップダウン方式で、羽田のハブ空港24時間を進めていく。成田の反省が、ちょっと生かされていない。ご存じないのかな」と述べた。
12日、前原国交相と関西空港のハブ化問題を話し合った大阪府の橋下知事は13日、「本当に日本のこと考えているなと。羽田空港ハブ化なんていうのは、成田の問題を考えると、絶対に役人じゃいえないことですよね」、「すごい政治家ですよね」と、政治家主導を実践する姿勢を賞賛した。
その前原国交相は、国交省の政策会議に集まった与党議員に対し、「皆さん方の地元の事業にも、問題が生じてくることがあるということを、覚悟していただかなくてはならない」と発破をかけた。
概算要求の見直しでも、国交省の公共事業関連費は大幅に削減される見通しだが、国交省幹部からは、「もう勝手にやってくれって感じ」、「これまで100人くらいの官僚がやってきたことを数人でやろうとしているけど、できるならやってみてくださいって」などといった声も出ている。

最終更新:10月14日0時37分

Fuji News Network.