2009年10月14日
司馬遼太郎先生の傑作｢坂の上の雲｣に挑戦!!
自分には昔から本を読むという習慣がありませんでした｡ﾋﾏさえあればTVｹﾞｰﾑに夢中になり､高校に入ってからは友達とのﾒｰﾙなど携帯電話ばかりいじっていました｡
また､中学･高校と柔道やﾎﾞｸｼﾝｸﾞに夢中になっていたため､夜になると眠くて読書どころではなかったのも正直なところです｡大学に入ってから極真会館に復帰しましたが(ﾎﾞｸｼﾝｸﾞはいまも続けています)､そんな生活は変わりませんでした｡
ｵﾔｼﾞは自分が小学生の頃から､中高大の私立ｴｽｶﾚｰﾀｰ校に入れて格闘技に専念させたいといってました｡また教養として｢読書｣｢音楽鑑賞｣｢映画鑑賞｣を積極的にやることが重要だといつも口にしてました｡一応､自分はｵﾔｼﾞの期待通りに進学することができました｡
格闘技も毎日道場やｼﾞﾑに通ってましたが､自主性や積極性が足りないと何度怒られ殴られたかわからないくらいです｡音楽もいま流行りのJｰPOPばかり聴いていたので意識が低いと､あるときは好きなﾐｭｰｼﾞｼｬﾝのCDやDVDを割られたこともありました｡
唯一､映画だけはｵﾔｼﾞと一緒にまた友達と人一倍観てきた自負はあります｡でもいちばん実行しなかったのが読書でした｡何度も怒られて本に接するのですが毎回挫折してました｡
音楽同様､ｵﾔｼﾞには年がら年中｢本を読め!｣と叱られては読み､途中で挫折してはまた怒られることの繰り返しでした｡小説はもちろんｵﾔｼﾞが専門のﾉﾝﾌｨｸｼｮﾝにも興味を持てなかったし､雑誌や漫画も自分はあまり好んで読もうとした試しがありません｡
そんな怠惰で意識が低い自分に自己嫌悪したり反省するのですが､気がつくとまた読書から遠ざかってしまう根性なしでした｡作家･編集者の息子でありながらまったく恥ずかしい話です｡
ところが､去る9月の初めに父と10日間の沖縄旅行にいったとき､何故か自分は毎日本を読んでいました｡家から持参した｢週刊新潮｣と文庫本2冊を1週間で読破してしまったのです｡
いったいこの差は何なのか!?
そのとき自分はﾊｯとしました｡生活環境が全く異なっていたのが理由だとわかりました｡自宅にいるときは空手のﾄﾚｰﾆﾝｸﾞや稽古が生活の中心で､疲れきった気持ちで録画したﾋﾞﾃﾞｵを見ながら寝てしまうのが普通でした｡
しかし沖縄旅行中は稽古がｵﾌだったのでｷﾂい運動はしないし､ﾎﾃﾙの部屋にﾋﾞﾃﾞｵはないし､ﾃﾚﾋﾞもほとんど見ませんでした｡また遠い地に来ているせいか携帯電話で友達とﾒｰﾙをしようともあまり思いませんでした｡
結果的に暇なのでﾎﾃﾙでは持参した本を積極的に読むことができたのです｡周りの環境と自分の意識を変えただけで本がとても面白いものだと実感することができたのです｡
こうして東京に戻ってからｵﾔｼﾞに薦められ､ある本を読み始めました｡
司馬遼太郎先生の｢坂の上の雲｣です｡
｢坂の上の雲｣は日露戦争を題材にし､陸海戦で活躍する秋山好古､真之兄弟を描いた作品です｡弟の真之と親友関係にあった俳人､正岡子規についてもこの本ではかなり触れられています｡実質的に秋山兄弟と正岡子規の3人が主人公といってもいいでしょう｡
実際に読み始めてみると､まるでその時代にﾀｲﾑｽﾘｯﾌﾟしたような気持ちになりました｡読めば読むほど｢司馬遼太郎の世界｣に引き込まれていきます｡
ところが､この小説はとにかく長いのです｡400ﾍﾟｰｼﾞ程度の文庫本にして8巻まであるのですから､大長編であることがお分かりでしょう｡現在はまだ3巻の途中です｡
司馬遼太郎先生は歴史小説作家ですが､｢司馬史観｣といわれるように､小説というより史実を追求したﾉﾝﾌｨｸｼｮﾝに近い作品で知られる偉大な人物だといわれています｡歴史に埋もれていた坂本龍馬を世間に知らしめたのも司馬遼太郎先生だとｵﾔｼﾞはいってました｡
また､中学･高校と柔道やﾎﾞｸｼﾝｸﾞに夢中になっていたため､夜になると眠くて読書どころではなかったのも正直なところです｡大学に入ってから極真会館に復帰しましたが(ﾎﾞｸｼﾝｸﾞはいまも続けています)､そんな生活は変わりませんでした｡
ｵﾔｼﾞは自分が小学生の頃から､中高大の私立ｴｽｶﾚｰﾀｰ校に入れて格闘技に専念させたいといってました｡また教養として｢読書｣｢音楽鑑賞｣｢映画鑑賞｣を積極的にやることが重要だといつも口にしてました｡一応､自分はｵﾔｼﾞの期待通りに進学することができました｡
格闘技も毎日道場やｼﾞﾑに通ってましたが､自主性や積極性が足りないと何度怒られ殴られたかわからないくらいです｡音楽もいま流行りのJｰPOPばかり聴いていたので意識が低いと､あるときは好きなﾐｭｰｼﾞｼｬﾝのCDやDVDを割られたこともありました｡
唯一､映画だけはｵﾔｼﾞと一緒にまた友達と人一倍観てきた自負はあります｡でもいちばん実行しなかったのが読書でした｡何度も怒られて本に接するのですが毎回挫折してました｡
音楽同様､ｵﾔｼﾞには年がら年中｢本を読め!｣と叱られては読み､途中で挫折してはまた怒られることの繰り返しでした｡小説はもちろんｵﾔｼﾞが専門のﾉﾝﾌｨｸｼｮﾝにも興味を持てなかったし､雑誌や漫画も自分はあまり好んで読もうとした試しがありません｡
そんな怠惰で意識が低い自分に自己嫌悪したり反省するのですが､気がつくとまた読書から遠ざかってしまう根性なしでした｡作家･編集者の息子でありながらまったく恥ずかしい話です｡
ところが､去る9月の初めに父と10日間の沖縄旅行にいったとき､何故か自分は毎日本を読んでいました｡家から持参した｢週刊新潮｣と文庫本2冊を1週間で読破してしまったのです｡
いったいこの差は何なのか!?
そのとき自分はﾊｯとしました｡生活環境が全く異なっていたのが理由だとわかりました｡自宅にいるときは空手のﾄﾚｰﾆﾝｸﾞや稽古が生活の中心で､疲れきった気持ちで録画したﾋﾞﾃﾞｵを見ながら寝てしまうのが普通でした｡
しかし沖縄旅行中は稽古がｵﾌだったのでｷﾂい運動はしないし､ﾎﾃﾙの部屋にﾋﾞﾃﾞｵはないし､ﾃﾚﾋﾞもほとんど見ませんでした｡また遠い地に来ているせいか携帯電話で友達とﾒｰﾙをしようともあまり思いませんでした｡
結果的に暇なのでﾎﾃﾙでは持参した本を積極的に読むことができたのです｡周りの環境と自分の意識を変えただけで本がとても面白いものだと実感することができたのです｡
こうして東京に戻ってからｵﾔｼﾞに薦められ､ある本を読み始めました｡
司馬遼太郎先生の｢坂の上の雲｣です｡
｢坂の上の雲｣は日露戦争を題材にし､陸海戦で活躍する秋山好古､真之兄弟を描いた作品です｡弟の真之と親友関係にあった俳人､正岡子規についてもこの本ではかなり触れられています｡実質的に秋山兄弟と正岡子規の3人が主人公といってもいいでしょう｡
実際に読み始めてみると､まるでその時代にﾀｲﾑｽﾘｯﾌﾟしたような気持ちになりました｡読めば読むほど｢司馬遼太郎の世界｣に引き込まれていきます｡
ところが､この小説はとにかく長いのです｡400ﾍﾟｰｼﾞ程度の文庫本にして8巻まであるのですから､大長編であることがお分かりでしょう｡現在はまだ3巻の途中です｡
司馬遼太郎先生は歴史小説作家ですが､｢司馬史観｣といわれるように､小説というより史実を追求したﾉﾝﾌｨｸｼｮﾝに近い作品で知られる偉大な人物だといわれています｡歴史に埋もれていた坂本龍馬を世間に知らしめたのも司馬遼太郎先生だとｵﾔｼﾞはいってました｡
そういえば数年前､ｵﾔｼﾞと塚本さんが共著で極真会館創始者･大山倍達総裁の評伝｢大山倍達正伝｣を書いていたときのことです｡塚本さん担当の第1部の原稿を読んだ新潮社のO編集長がﾌｧｯｸｽで感想を送ってくださったとき､｢まるで司馬遼太郎の作品を読んでいる錯覚に陥りました｣と絶賛してくれたのを覚えています｡
ｵﾔｼﾞは第2部担当でしたが､O編集長の感想文を読んで自分のことのように喜んでいました｡共著なので当然なのかもしれませんけど､ｵﾔｼﾞはいつも自分より塚本さんが評価されたり偉い先生たちに可愛がられるのを嬉しがっています｡
｢編集者や作家としての実力はとっくに俺を超えた｣というのがｵﾔｼﾞの口癖です｡夢現舎を金銭面から実務まですべて仕切っていて決定権もｵﾔｼﾞじゃなくて塚本さんが持っているのを自分は知ってるし､実際に自分の夢現舎の雑用をさせてもらっているのでｵﾔｼﾞの言葉がｱﾋﾟｰﾙでも何でもない事実なのはよくわかります｡
でもあの頃の自分は｢司馬遼太郎｣という作家を知らなかったので､O編集長の言葉がどれほどすごい称賛なのか理解できませんでした｡その後､読書嫌いの自分は再びｵﾔｼﾞに怒られて､司馬遼太郎先生の｢燃えよ剣｣を読まされすごく感動しました｡そして｢塚本さんの原稿が司馬遼太郎の世界に似ている｣というのが最大級の誉め言葉だと漠然とですがわかった気がしました｡
でも､今回｢坂の上の雲｣という壮大な物語を読み始めて｢本当に塚本さんの第1部は司馬遼太郎先生のｽｹｰﾙに共通している!!｣と実感することができました｡同時に､ｵﾔｼﾞもそうですが塚本さんは本当に一流作家の実力があると確信しました｡2人のｺﾝﾋﾞならばｵﾔｼﾞがよくいう｢ﾒｼﾞｬｰのﾚｷﾞｭﾗｰﾎﾟｼﾞｼｮﾝを取る!｣のが夢でないと本気で思いました｡
｢坂の上の雲｣は､まだ3分の1程度までしか読んでませんけど､最初に書いたように思わず自分が作品の世界の中にいるような気分になるくらい素晴らしい小説です｡
先は長いですがゆっくり噛みしめながら読んでいこうと思います｡
目指せ､読破！
(おわり)
ｵﾔｼﾞは第2部担当でしたが､O編集長の感想文を読んで自分のことのように喜んでいました｡共著なので当然なのかもしれませんけど､ｵﾔｼﾞはいつも自分より塚本さんが評価されたり偉い先生たちに可愛がられるのを嬉しがっています｡
｢編集者や作家としての実力はとっくに俺を超えた｣というのがｵﾔｼﾞの口癖です｡夢現舎を金銭面から実務まですべて仕切っていて決定権もｵﾔｼﾞじゃなくて塚本さんが持っているのを自分は知ってるし､実際に自分の夢現舎の雑用をさせてもらっているのでｵﾔｼﾞの言葉がｱﾋﾟｰﾙでも何でもない事実なのはよくわかります｡
でもあの頃の自分は｢司馬遼太郎｣という作家を知らなかったので､O編集長の言葉がどれほどすごい称賛なのか理解できませんでした｡その後､読書嫌いの自分は再びｵﾔｼﾞに怒られて､司馬遼太郎先生の｢燃えよ剣｣を読まされすごく感動しました｡そして｢塚本さんの原稿が司馬遼太郎の世界に似ている｣というのが最大級の誉め言葉だと漠然とですがわかった気がしました｡
でも､今回｢坂の上の雲｣という壮大な物語を読み始めて｢本当に塚本さんの第1部は司馬遼太郎先生のｽｹｰﾙに共通している!!｣と実感することができました｡同時に､ｵﾔｼﾞもそうですが塚本さんは本当に一流作家の実力があると確信しました｡2人のｺﾝﾋﾞならばｵﾔｼﾞがよくいう｢ﾒｼﾞｬｰのﾚｷﾞｭﾗｰﾎﾟｼﾞｼｮﾝを取る!｣のが夢でないと本気で思いました｡
｢坂の上の雲｣は､まだ3分の1程度までしか読んでませんけど､最初に書いたように思わず自分が作品の世界の中にいるような気分になるくらい素晴らしい小説です｡
先は長いですがゆっくり噛みしめながら読んでいこうと思います｡
目指せ､読破！
(おわり)
gokuakunin15mei at 05:48│
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