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韓国外相が予告なしにベトナムへ向かったワケ

今月下旬の李大統領訪問を前に問題発生か

 外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官が突然、当初の予定にはなかったベトナム訪問に出発し、その背景について、さまざまなうわさが飛び交っている。一部では、「両国の間で何か行き違いがあったのではないか」という話も出ているほどだ。

 柳長官は10日に中国・北京で開催された韓中日首脳会議に随行した後、同日夜12時ごろソウルに戻ったが、翌11日夕方には急きょベトナムに向かった。ベトナム訪問は、柳長官が北京に向け出発した9日の時点でスケジュールにはなく、週末に突然決まったという。そのため外交通商部は11日午後、柳長官が出国するわずか数時間前になって、この事実を記者など外部に伝えた。12日に予定されていた柳長官と記者団との昼食会の約束も、事前に取り消しが伝えられることはなかった。

 外交通商部は柳長官のベトナム訪問について、「ファム・ザー・キエム副首相兼外相らベトナム側の高官と会談を行い、両国間の協力関係について話し合う予定」と説明した。外相による通常の訪問だという。

 しかしこれは時間を争うような事案ではないことから、外相が突然ベトナムを訪問した理由としては説得力に欠ける。ある外交筋は、「今月下旬に予定されている李明博(イ・ミョンバク)大統領のベトナム訪問の際に発表予定だったいくつかのプロジェクトのうち、一つに問題が生じたようだ」と述べた。

 この問題について別の関係者は、「両国関係を“包括的な同伴者関係”から“戦略的な同伴者関係”へと格上げする問題について、実務レベルで意見の違いを調整できなかった部分もある」と説明した。大統領の訪問を数週間後に控えた時点になって、実務レベルでは調整できない問題が生じたことから、外相が直接乗り出して解決する必要が生じたということだ。

 しかしこの問題以外にも、ベトナムが推進している原子力発電所の建設や、高速鉄道建設など大規模プロジェクトの協力パートナーとして、韓国は日本をはじめとする他国に遅れを取っているのではないか、という見方もある。また別の消息筋は、「韓国では国会内でベトナム戦争参戦者を国家有功者として認めようとする動きが出ている。“国家有功者への礼遇および支援に関する法律改正案”のことだが、これが最近上程されるなど、韓国国内での動きに対し、ベトナム側が気分を害しているようだ」と述べた。

イム・ミンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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