駐車場用地として利用を検討しているJR賀来駅近くの県道下の県有地=大分市
JR大分駅の高架化に伴い来年度後半から始まる大道陸橋の解体工事を前に、大分県やJR九州は大分市南部、西部で「パークアンドライド」を推進する方向で検討を進めている。陸橋の通行止めで予想される渋滞を最小限に抑えるためだが、これを機に二酸化炭素(CO2)の削減につなげる狙いもあり、通勤・通学での公共交通機関への乗り換えを促す。
具体的な候補地として、駅近くに県有地がある大分市旦野原地区やJR賀来駅周辺が挙がっており、光吉地区や上宗方地区でも実施を検討している。
高架化に合わせて7月から春日陸橋(1日約1万2千台)を通行止めにしているが「現在はそう大きな影響はない」(県大分駅周辺総合整備事務所)という。
しかし、「(1日の通行量が約5万台の)大道陸橋の場合は比較にならないほどの影響がある」とみられるため、都市計画道路庄の原佐野線など周辺道路への交通量の分散だけでは渋滞解消は困難とみている。
県は本年度中に大分市旦野原地区で、県職員研修所グラウンドの一部を駐車場用地(40台分)として活用を始める。350メートルほど離れたJR大分大学前駅や最寄りのバス停留所の利用を促す。
光吉地区や上宗方地区では、大分自動車道下の土地を路線バス乗り換え用の駐車場用地として利用するための検討に入った。総合整備事務所は「最適地を調べた上で、西日本高速道路を通じて管理者に使用申請の準備をしている」という。
JR九州大分支社も本年度中に、久大線賀来駅から150メートルほど離れた陸橋下の県有地を借りて約40台分の有料駐車場を整備するため、県と詰めの協議中。賀来駅の1日の平均乗降客数は約850人。地域の区画整理が完了し、乗降客数が増えており、パークアンドライドの利用が期待できる。
同じ久大線の南大分駅などでも放置自転車を整理しながら駐車場用地を確保し、可能性を検討している。同支社は「大道陸橋の通行止めを前に、少しでもJR利用客の利便性を確保しておきたい」と話している。
<ポイント>パークアンドライド 住宅地と市街地などの途中に駐車場を設け、電車(レールライド)やバスへの乗り換えをする手法。駐車場は常設のほか、大きなイベントの際に臨時に設ける場合もある。
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA