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県立地域診療センター:無料送迎と夜間・休日の看護師配置、利用者低迷で廃止 /岩手

 ◇県医療局、わずか半年で方向転換--花泉、住田、九戸

 県医療局は12日、花泉(一関市)と住田、九戸の県立地域診療センターで4月に始めた患者や家族の無料送迎、夜間・休日の看護師配置を廃止する。残る紫波、大迫も廃止の予定。いずれもセンターの無床化に伴う激変緩和策で、急病時の対応に不安を抱く住民の理解を得る目的だった。利用の低迷を理由に、わずか半年で方針転換されることになった。

 県医療局管理課によると、各センターに夜間や休日、急病の相談に備えて看護師2人を配置。患者や家族らの足を確保するため、タクシーを手配して基幹病院との間を無料送迎していた。3センターでは13日以降、夜間や休日の電話は基幹病院に転送して病状相談や問い合わせに応じる。送迎体制も見直し、路線バスの無料券を配る。高齢者や体が不自由な人は従来通り、タクシーを使える。

 看護師の配置や無料送迎には、住民の指摘を受け、医療局が計画に盛り込んだ経緯がある。無床化前の説明会などで、「急病時に対応が遅れれば命取りになる」「入院先が遠くなれば、車を運転できない高齢者は見舞いもできない」といった意見が出ていた。

 一方、4月から9月末までの問い合わせは、5センター合わせて1日平均3・4件にとどまり、無料送迎の利用も同1・5人と少なかった。医療局では、看護師も人手不足が続いており、救急搬送を受け入れる他の県立病院での当直勤務に回す狙いもある。

 管理課の大槻英毅総括課長は「各センターには従来通り警備員を置く。病状の相談は、医師がいる基幹病院で受け付けたほうが良い」と理解を求める。

 無床化された九戸地域診療センターがある九戸村の川戸茂男・住民生活課長は「他の医療機関がない村では、夜間・休日は医師不在になる。住民が不安にならないよう配慮してほしい」と話す。【山口圭一】

毎日新聞 2009年10月12日 地方版

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