生駒市の新病院設立問題で、医療関係者らでつくる市の諮問機関「病院事業推進委員会」の初会合が10日、市役所で開かれた。長瀬啓介・金沢大教授を委員長に選び、市の事業計画案について議論した。委員会は11月17日まで計5回の会合を開き、山下真市長に答申を出す予定。
この日の会合で、山下市長は「何としても年内に県へ病院開設の許可申請をしたい。11月中には答申を頂きたい」とあいさつ。
委員からは、県が県立医大の一部機能を生駒市内に移転する計画を明らかにしたことを挙げて「新病院の役割に疑問を感じる」と、設立そのものへの疑問が投げ掛けられた。「市内の別の病院から看護師を引き抜くことにならないか」と周辺の医療機関への影響を懸念する意見もあった。その一方で、「市民のための病院をぜひ建設してほしい」と期待する声もあった。
生駒市は9月議会で、新病院の指定管理者を医療法人徳洲会とする案を撤回。委員会の答申を踏まえて12月定例市議会に再提案する方針。【岡奈津希】
毎日新聞 2009年10月11日 地方版