パレスチナ自治区ガザにある動物園で、いま子供たちに人気を呼んでいるのが、この「シマウマ」です。しかし、よくみるとちょっと違うような・・・。実はこの「シマウマ」、シマシマにペイントされたロバなんです。なぜ、こんなことを・・・。その背景には深刻な事情がありました。
昨年末に始まったイスラエルによる攻撃でガザ地区は激しく破壊されました。さらに以前から続く経済封鎖の影響もあり、動物園にいた本物の2頭のシマウマはエサ不足から餓死してしまったのです。
ガザの住民はエジプトまでトンネルを掘って物資を密輸しているのですが・・・。
「シマウマは密輸するのは難しく、連れてくると、とても高くつくんだよ」(動物園園長の息子)
トンネルでシマウマを密輸すると、2頭でおよそ140万円もかかるということで、動物園がとった苦肉の策がロバの変装だったわけです。女性用のヘアカラーリング剤を使って、プロがロバをシマシマに塗っていきます。出来上がった偽シマウマは本物そっくり?少し長めの耳や、眠そうな目は隠せませんが、子供たちは大喜びです。
「私も最初に見たときはシマウマかと思ったわ。でもよく見ると、やっぱりロバね」(子供を引率した先生)
まだまだ不自由な生活を強いられるガザの子供たち。久しぶりに動物園に現れたこの「シマウマ」の人気は続きそうです。(09日16:21)