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ノーベル平和賞にオバマ米大統領 「核なき世界」主導

2009年10月10日0時37分

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写真:「核不拡散と核軍縮」をテーマにした国連安全保障理事会首脳会合にのぞむオバマ米大統領(手前右)=9月24日、河合博司撮影「核不拡散と核軍縮」をテーマにした国連安全保障理事会首脳会合にのぞむオバマ米大統領(手前右)=9月24日、河合博司撮影

写真:IOC総会出席のために訪れたコペンハーゲンで10月2日、デンマーク首相との対談中にほほえむオバマ米大統領=ロイターIOC総会出席のために訪れたコペンハーゲンで10月2日、デンマーク首相との対談中にほほえむオバマ米大統領=ロイター

写真:ニューヨークで開かれた日米首脳会談で握手するオバマ米大統領(右)と鳩山首相=9月23日、河合博司撮影 ニューヨークで開かれた日米首脳会談で握手するオバマ米大統領(右)と鳩山首相=9月23日、河合博司撮影 

 【ロンドン=土佐茂生】ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、09年のノーベル平和賞を、バラク・オバマ米大統領(48)に授与すると発表した。就任して1年にも満たない首脳への授賞は異例だが、同委員会は「人びとによりよき未来への希望を与えた」と称賛。国際平和や地球環境などの問題に対話と協調を行動原則として取り組む意志を明確に表明したオバマ氏に、大きな期待を寄せた。

特集:ノーベル賞 オバマ氏プラハ演説など

 オバマ氏は同日、ホワイトハウスで「驚き、深く謙虚に受け止めている」と授賞を知った時の心境を語った。

 委員会は授賞理由を「国際的な外交と諸国民の協力を強めることに対して並はずれた努力をした。特に『核なき世界』を目指すとする理念と取り組みを重視する」とした。

 そのうえで、多国間外交、「核なき世界」、気候変動問題でオバマ氏は国際政治の新しい状況を生み出したと評価。多国間外交では「国連やほかの国際機関の役割の重要性を主張し、多国間の協調を再び世界の外交の中心に取り戻させた」ことや、問題解決の手段として対話と交渉に重きを置く姿勢をたたえた。

 「核なき世界」の理念と行動については「軍縮交渉の流れに力強い刺激を与えた」とし、気候変動問題では「オバマ氏の指導力によって、世界が直面する気候変動問題で、米国がより建設的な役割を果たすようになった」と評価した。

 委員会は最後に「ノーベル賞委員会は『今こそ私たち全員が、グローバルな課題に対してグローバルな対応をとる責任を共有する時だ』とのオバマ氏のアピールを支持する」と締めくくった。

 8年間続いたブッシュ政権の後、民主党のオバマ氏は今年1月にアフリカ系としては初の米大統領になった。ブッシュ政権の単独行動主義を改め、多国間協調を重視する姿勢を打ち出した。

 就任間もない4月、チェコ・プラハでの演説で「核兵器を使用した唯一の国」としての米国の道義的責任に触れ、「核なき世界」を目指す考えを表明した。

 その後、ロシアとの核軍縮交渉に着手する一方、9月には「核不拡散と核軍縮」をテーマにした国連安全保障理事会の首脳会合を主宰し、「核兵器のない世界」を目指す歴史的な決議を全会一致で採択に導いた。

 気候変動問題では、京都議定書から離脱して国際的な信用を失ったブッシュ政権とは反対に、温暖化対策に乗り出して国際交渉にも復帰し、国際社会から歓迎された。

 今年の平和賞は全世界から推薦された計205の個人・団体の中から選ばれた。授賞式は12月10日にオスロである。賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億3千万円)。

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