2009年10月9日 12時13分 更新:10月9日 14時15分
廃炉中の旧・新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)の原子炉補助建屋で8日午後2時半ごろ、微量の放射能を含む重水約70ミリリットルが漏れているのを作業員が見つけた。漏れた放射能量は国の基準値(370万ベクレル)の約1000倍。作業員の1人が重水に含まれる放射性物質「トリチウム」(三重水素)を0.21ミリシーベルト(国の基準値は年間線量限度50ミリシーベルト)吸い込み内部被ばくした。外部への放射能漏れはない。
日本原子力研究開発機構(原子力機構)によると、現場で14人が作業中。作業員は建屋内にある試験装置から残った重水を回収するための準備作業をしている途中で、重水をためてある円筒形の容器から重水が作業台に漏れているのを見つけた。作業員が内部被ばくしたトリチウムは、原子力機構が独自に定めた基準値0.2ミリシーベルトを超えていた。原子力機構は9日、原子力安全・保安院にトラブルとして報告した。【酒造唯】