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「ふげん」で重水漏れ、作業員1人が被曝…健康影響はなし

 日本原子力研究開発機構は9日、廃炉に向けた作業中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)の原子炉補助建屋で、放射性物質トリチウムを含む重水約70ミリ・リットルが漏れ、作業員1人が被曝(ひばく)したと発表した。被曝量は、機構の自主管理値(0・2ミリ・?)をわずかに上回る0・21ミリ・?だったが、健康への影響はないとみられる。漏れた放射能量は国への報告基準の約1000倍。施設外への放射能漏れはないとしている。

 機構や福井県原子力安全対策課によると、8日午後2時43分、建屋内に置かれた試験装置のネジ止め部分から重水が漏れているのを作業員が見つけた。試験装置は重水が金属に及ぼす影響を調べるためのもので、この日は作業員4人が朝から装置内の重水を抜き取る準備作業を行っていた。

 ふげんは軽水炉と異なり、原子炉内の中性子を制御する減速材に重水を使用。核分裂反応などで多量のトリチウムが生成される。

 機構が県に報告したのは8日午後5時頃。発表が遅れた理由について、機構は「作業員の被曝レベルが国への報告基準値を下回っており、重水の漏れもすぐ止まったため」としている。

 ふげんはプルトニウムの有効利用を目指して日本が独自開発した原発で、1979年3月に運転開始。後継炉の開発中止などにより2003年3月、運転を停止し、08年2月から解体作業を行っている。

2009年10月9日  読売新聞)
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